子育て情報『「保育園落ちた日本死ね!」から待機児童は変化したの? ママパパはどうやって保育園を選べばいい?【専門家が解説】』

2022年3月31日 17:30

「保育園落ちた日本死ね!」から待機児童は変化したの? ママパパはどうやって保育園を選べばいい?【専門家が解説】

小規模保育施設などは、施設によって有資格者の基準が違うところもあり、それらの改善は今後の課題でしょう。配慮の必要な子どもの対応や、医療ケア児に関しては、保育士だけでなく看護師不足の問題もあるため、まだまだ難しい課題が残っている状況です」(小崎先生)

保育士の賃金などの労働条件は改善されている?

「保育士の賃金については国や自治体がさまざまな取り組みをおこなっており、少しずつ改善しています。2012年(平成24年)度との比較による保育士の処遇は、図のように、2013年(平成25年)度に約3%上がり、その後も毎年上昇しています。2017年(平成29年)度には処遇改善制度によって、保育士の経験やスキルに応じた役職と、処遇改善手当が支給されるようになりました。とはいえ、これらの処遇改善だけでは、保育士不足がすぐに解消されるとは思えません。休憩時間が取りづらい、サービス残業が日常化してしまっていて残業手当が支払われないなど、働く環境・体制の問題も課題として残っています」(小崎先生)

処遇改善資料


出典:「保育士等の処遇改善の推移(P8)」(厚生労働省)

保育士のスキルアップってどうなっているの?

「保育士のスキルアップに関しては、2017年(平成29年)度より、全国統一で、厚生労働省が新しい研修制度を創設しました。これは『保育士等(民間)のキャリアアップ研修』と呼ばれ、専門性の確保と処遇改善の二つを軸に、保育士の更なる質の向上を目指しているものです。子どもの発達に応じた保育や、食育・アレルギー、障害児保育、安全対策、保護者支援など、保育現場におけるさまざまな課題を体系的に学び、専門知識を深めます。さらにこれにくわえて、それぞれの施設で独自の園内研修が取り組まれている点も、現在注目されています」(小崎先生)

保育所関連資料


出典:「保育士のキャリアアップの仕組みの構築と 処遇改善について(P2)」(厚生労働省)

保育施設の安全対策って大丈夫?

「保育施設の安全対策に関しては、先にも述べたキャリアアップ研修内でも『⑤保険衛生・安全対策』という分野を設けていますし、保育士自身も意識を向けている人が多いです。また、月に1度の避難訓練の義務づけによって、子どもの安全確保にも努めています。食物アレルギーなどは、厚生労働省などが細かいマニュアル・チェックリストを作っているので、それらの意識改善や体制整備はかなり進んでいます。

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