2022年12月14日 15:30
「風邪と似てるけど実は怖い!」放っておくと危ない乳幼児がかかりやすい冬の病気とお世話の落とし穴
助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、冬に流行する「溶連菌」について教えてくれました。乳幼児がかかりやすい病気の溶連菌。症状や受診のポイントについて教えてくれているので、ぜひ参考にしてくださいね。
乳幼児が冬になるとかかりやすいのが、溶連菌感染症です。通常の風邪と思っていたら、実は溶連菌感染症だったということもあります。溶連菌は、適切な時期に診断・治療を始めていかないと全身に広がって重症になることもあります。
そこで今回は、溶連菌についてお話していきます。
溶連菌とは?どんな症状?
溶連菌とは、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、溶連菌感染症の90%以上がA群によるものです。
主にのど(咽頭・扁桃腺)に感染します。溶連菌は潜伏期間があり、実際に感染してからだいたい2〜5日で症状がでます。
溶連菌の主な症状
・発熱(38〜39℃)
・咽頭炎・扁桃炎による喉の痛み
その他の症状
・体や手足に小さくて紅い発疹が出る
・イチゴ舌(舌にイチゴのようなツブツブができる)
・頭痛
・首すじのリンパ節の腫れ
・腹痛や嘔吐などの腹部症状
症状が落ち着いた後
・発疹のあとには指の皮が白くむけてくるなどの落屑(皮むけ)が認められる
風邪との違いは?受診のポイントは?
この病気の特徴は、風邪と違って咳や鼻水が出ないことがあげられます。また、3歳未満ではあまり熱が上がらないといわれています。そのため、受診のタイミングが遅れたり、徐々に症状が悪化してしまうことがあります。乳幼児の場合は、発熱や咳、鼻汁、哺乳不良、元気がないなどの症状があれば一度かかりつけの病院に受診するのがよいでしょう。
溶連菌の感染と診断されれば、抗菌薬を処方されます。これは、病気の原因の溶連菌を退治するためにとても重要なお薬です。 受診すると、医師は年齢、熱の程度、“のど”の発赤の具合、体や手足の発疹の程度から溶連菌に感染している疑いがあれば、確認のために喉についた細菌の検査を行います。溶連菌については、5〜10分以内に結果が出ます。
溶連菌の感染とわかれば、抗菌薬の他に熱やのどの痛みといった症状をやわらげるお薬が出されるので、しっかりと子どもに飲ませるようにしましょう。抗菌剤の内服を開始してから、2〜3日経っても熱が下がらない場合は、お薬が効いていないことがあるので、再度受診するようにしましょう。