帝王切開はどのぐらい痛い?術後の過ごし方や気を付けた方が良いことは?
麻酔は緊急手術の場合には全身麻酔をおこなうこともありますが、ほとんどの場合が胎児に影響の少ない下半身麻酔で、脊髄くも膜下麻酔または硬膜外麻酔、もしくはこの両方を併用することがあります。下半身麻酔の際には、横向きになって背中を丸めます。脊髄くも膜下麻酔では麻酔科医が背骨の間に針を刺して麻酔薬を注入します。硬膜外麻酔では、背骨の間に針を刺した後、カテーテルを挿入し、麻酔薬を注入します。硬膜外麻酔は術後の痛み止めとして使用することもあります。下半身のみの局所的な麻酔なので、意識はある状態での手術となります。
●そのほかの処置
麻酔の処置が終わると横向きからあおむけの姿勢になり、膀胱留置カテーテルという尿を自然に排出する管を尿道口から挿入して手術に臨みます。これらの処置が終わると、手術部位の消毒がおこなわれます。
消毒が終わると清潔な布がおなかにかけられ、いよいよ手術がはじまります。
●手術
まず、下腹部を横もしくは縦に切開します。膀胱などを避けて子宮を露出させ、子宮の下部を横方向に切開し、卵膜という胎児と羊水を包んでいる膜を切って胎児を出産させます。へその緒を切って赤ちゃんが母体から離れた後、胎盤を出し、子宮、おなかの中(筋層や脂肪層など)をそれぞれ縫い合わせていきます。皮膚表面は糸もしくはスティプラーと呼ばれるホチキスのようなもので縫い合わされ、手術は終了となります。
手術室に入り麻酔が終わってから赤ちゃんの誕生までは、だいたい5~10分程度ですが、手術全体の所要時間は1時間半ほどになります。
帝王切開の痛みや傷跡について
帝王切開の手術の後に気になるのが、帝王切開の痛みと痛みの緩和方法、傷跡についてではないでしょうか。
まず初めに帝王切開の痛みについてですが、術中は麻酔が効いているため、痛みは感じません。
麻酔が切れた後や、術後1~2日は傷の痛みと後陣痛のために痛みを強く感じる方が多いようですが、痛みの程度は人によって異なります。また、皮膚を縦に切るか横に切るかによっても変わってきます。横に切る横切開の方が、筋層に準じて切開するために痛みが少ないといわれています。出産の施設によって方針が異なりますので、診察の際に聞いておくといいでしょう。
痛みが我慢できないようなら、医師に相談して痛み止めを使用します。