子育て情報『妊娠中の下痢の原因や特に気を付けたい感染症は?下痢の時に心がけること』

妊娠中の下痢の原因や特に気を付けたい感染症は?下痢の時に心がけること

 

■腸に刺激を与えるものは避ける
下痢が続いて、食欲がないときは、できるだけ食物繊維や脂肪の少ない食品をやわらかく調理した食事を摂るように心がけ、酸味や辛味の強い料理、水分の多い食品、乳製品などの腸の動きを刺激するものは控えましょう。食事が摂りづらい状況が続くと、清涼飲料水、飴やガムなどで空腹を満たす方もいますが、清涼飲料水や菓子類に含まれる人工甘味料は、腸内で消化吸収されにくい性質をもち、時に急激に腸の動きを活発にして下痢の原因となることもありますので、下痢が続く間の摂取はなるべく控えましょう。

■イオン飲料の飲みすぎに注意する
下痢が起きた際に、水分補給としてイオン飲料(スポーツドリンク、経口補水液など)を飲む方もいると思いますが、イオン飲料は、糖やミネラルなどを含むものの、糖をエネルギーに変換するビタミンB1を含まないため、多量に飲んだり、水分補給をイオン飲料だけに限定してしまうと、ビタミンB1欠乏による脚気(かっけ:末梢神経障害や心不全)、ウェルニッケ脳症(眼球運動の異常、歩行困難、意識障害)を引き起こす危険性があります。水分補給として、イオン飲料しか飲めない場合は、速やかに産婦人科へ受診しましょう。

■適度な安静と保温を心がける
腹部への圧迫を避けて、ゆっくりと休みましょう。下痢が続く場合は、ブランケットを掛けたり腹巻きなどによる腹部の保温をすることで、おなかの中の臓器の循環血液量を増加させ、消化吸収を助けたり、腸内の炎症の回復をはかることができます。また、保温することは、痛みを和らげたり、精神的なリラックスをもたらします。

まとめ

下痢が流産や早産の直接的な原因にはなりませんが、下痢が続けば、十分に食事を摂れず、母体の体力を消耗することになります。
妊娠中の下痢が生理的な変化にともなって起きたものなのか、感染によるものなのかは自分で判断することは難しいです。妊娠中に下痢が続いたり、腹痛や嘔吐など他の症状をともなう場合は、早めにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生
順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
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