#わたしたちでもできること
犬山紙子×坂本美雨(前編)
それで、自分たちは何に心を痛めていて、何の力になれるんだろうね、いつか虐待について取り組めたらいいよねとふんわりとした話はずっとしていたんです。でも、いつかアクションを起こしたいと思っていても、仕事と子育ての両立で大変だからまだできないなと思いながら、ニュースを聞く度にしんどいなと。何もしていないことがしんどくなってくるという感覚だったので、結愛ちゃんの事件で、もちろん子どものためでもあるんだけど、自分のために何か動きたいなという感じでした。
坂本:溢れたという感じ。それで、紙子ちゃんが「#こどものいのちはこどものもの」をTwitterで始めて、お誘いではなくて、こういうことを始めてみたという報告をInstagramのDMにくれたんだよね。それが来た瞬間、「やった!」と思って。
犬山:即レス!
坂本:「一緒にやろう!」とすぐに飛びついて。嬉しかった。
犬山:私が『私、子ども欲しいかもしれない。』という本を出したとき、子育ての先輩として、美雨さんに話を聞きに行って。もともと動物愛護の活動をされていることもあったし、美雨さんから慈愛を感じていたので、声をかけました。
坂本:確かLINEグループを作ったのが6月11日くらいで、そこからやり取りが始まったんだよね。
犬山:実は私から連絡したのは美雨さんだけで、記事を読んでTwitterでつぶやいてくれた人たちに、私からLINEで「つぶやいてくれてありがとう。みんなでできたらいいなって思っています」と伝えたら、全員即レスで「やろう」と返事をくれて。みんな、同じように思ってたんだなと。
ーみんなで集まって始まったわけじゃなかったんですね。
犬山:そうですね。集まったのは2回くらいかな。厚生労働省に行く、とかみんなで動くこともあるんですけど、個々の活動がけっこう多いかな。
坂本:多いね。始めた頃は自分たちのスタイルが定まっていなかったんですが、最初は、フローレンスの駒崎弘樹さんの「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」の署名活動の共同発起人となって、署名集めをしました。その後、自分たちはどうしていこうかとなったときに、それぞれの得意分野も自分たちのネットワークも違うし、一人ひとりがこの問題に対して経験・知識不足で、それぞれが勉強しなきゃいけないという状況もあって、それぞれの近しいところでこの分野のリサーチをしたり、話ができそうな媒体を探してと、個々の活動が始まったんじゃないかな。