夫と数週間前から相談して、悩みに悩んで決めたのは「レコードプレーヤー」だった。
音楽好きの夫は数ヶ月前に初めてレコードプレーヤーを購入し、デジタルからアナログの世界にどっぷりはまり、息子もまたその脇で、父親と一緒に音楽鑑賞を楽しむようになった。
お父さんのレコードを触りたくて仕方がないようで、注意されるたびに泣いていた。息子が自由に触れるレコードがあったらどんなにいいか。
夫が集めているレコードは、主にわたしたちの親世代が聞いていたひと昔前の歌謡曲から、ポップス。
山下達郎やユーミン、大貫妙子にYMO。いま聴いても、かっこいい。
わたしも大好きな憧れの人たち。
洋楽もありとあらゆるジャンルを好む、夫の趣味を体全体で受け止めている息子。
お気に入りの曲がかかると、激しく踊り出し、独特の舞とシャウトで音の世界に陶酔している様子。
こんな姿を見せられてしまうと、親バカとしては音楽に触れる機会をもっと増やしてやろうと思ってしまうものだ。
レコードプレーヤーといっても価格はピンキリ。万が一、息子が飽きても家庭で楽しめるよう、ある程度壊れにくい本格的なものがよいと、ネットでいろいろ調べてみると…
吉祥寺のHMVレコーズにミッキーマウスの絵が描かれたトランク型のレコードプレーヤーがわりと手頃な値段で販売されている情報を得た。
誕生日前日、息子が保育園で過ごしている間に、ダッシュで吉祥寺のHMVへ出かけた。
店内の一番奥に飾られたミッキーマウスのレコードプレーヤー。すぐさま店員さんを呼んで、一台購入した。トランク型で持ち運びができる点が良い。きっと喜んでくれるに違いない!
レコードプレーヤーだけでは音楽は楽しめないので、あわせてレコードもプレゼントすることに。息子が好きなマイケルジャクソンが幼少期、活動していたグループ「Jackson 5」の3rdアルバムも購入し、息子の誕生日プレゼントにすることにした。
誕生日ケーキを用意して、夕飯後に「誕生日おめでとう~」とお祝い! 息子にプレゼントを与えると、興奮した様子で早く開けてくれとせがまれた。
レコードプレーヤーを見た息子は、目をまん丸くし、とてもうれしそうな顔をして、買ってもらったばかりの「JACKSON 5」のレコードを自分の手でかけだした。
この技も、夫がレコードをかけている様子を間近で見て、息子が勝手にやり方を学んでいたようだ。
よく観察しているものだなあと感心する。
「マ!マ!マ!」(マイケル・ジャクソンのこと)
回るレコードを指差し、大きな声で「マイケル・ジャクソンだー!」と言っている様子。
どうやら大変気に入ったようで、私たちも心から喜んだ。
「I will be there」という曲を聴きながら、歌詞カードを読むと
「君を守るため、僕はそこにいる。」と書かれていた。
夫とふたり顔をあわせ、良いプレゼントになったね。とうなづいた。
きっと、この誕生日プレゼントは、わたしたちが年老いて、そのうちヨボヨボになって力尽きていなくなっちゃっても、きっとずっと大切にされて、家のどこかにとっておくだろう。
音楽は時を超えて、息子がいつか寂しくなった時に、心を癒やしてくれるといいな、と思う。
デジタル化が進み、部屋で聞くBGMはすべてi-podなどで選曲しているご家庭も多いだろう。
大切なデジタル機器は、どうしても子どもに触らせたくない。
昔のレコードはプレミアがついているものは、さすがに高級だけれど、それ以外の昭和歌謡曲なんかは、中古のレコード屋で50円程度から売られている。
幼いながらも自分の好きな曲を自由に選曲できるアナログレコードは
子どもの感性を磨くには、ぴったりのプレゼントだったのかもしれない。
つづく
ポイントは恥ずかしがらないこと! 息子に命ができる方法を教えた日【ゆるっと性教育 Vol.11】