食育のアドバイザーに聞く!”玄米食”で野菜嫌いでも栄養たっぷり幼児食
赤ちゃんがミルクやおっぱいを卒業し、食事からすべての栄養を摂るようになると、気になってくるのは栄養バランス。子どもによって好き嫌いには個人差があり、なかなか野菜やお肉などをバランスよく食べてくれず、困っているママも多いのではないでしょうか。私も現在1歳10カ月の娘の好き嫌いに悩む1人。毎日牛乳ばかりを飲みたがり、食事はほとんど白米しか食べない娘が、どうしたら栄養バランスの整った食事をしてくれるのか、頭を抱えていました。そこで、調理師で保育園看護師として勤務している豊田杏子さんに、野菜嫌いの幼児が、栄養バランスが整った食事をできるようにするにはどうすればいいのかを聞いてみました。
味付けを濃くして無理やり野菜を食べさせるよりは、栄養満点の”玄米”を
当初、私は豊田さんに「どんな味付けをすれば野菜を食べてもらえるのか」を聞くつもりでいました。しかし、豊田さんによると、味付けを濃くして野菜を食べても、調味料漬けになってしまい、逆に子どもの健康にとって良いとは言えないそうです。調味料に含まれることがある添加物を必要以上に摂取するだけでなく、将来的にも濃い味付けに慣れてしまい、健康を害してしまう原因になります。
今どうしても食べてくれない野菜を無理に与えるより、野菜に含まれるビタミンや繊維を主食で摂取できる「玄米」を幼児食に取り入れることがおすすめと語る豊田さん。実は、1歳の豊田さんのお子さんも玄米を食べているそうです。「野菜を食べさせないと!」と血眼になっていた私にとって、目からウロコの提案でした。
玄米の栄養を吸収するためには、調理に工夫が必要
玄米は栄養価が高く、白米に比べてカルシウムは1.8倍、鉄分は2.6倍、ビタミンEは6.5倍、食物繊維に至っては7.4倍も含まれています。便秘がちで、排便のときに大泣きをする私の娘にとって、食物繊維はぜひ摂取させたい栄養素です。しかし、玄米には「消化が悪い」という一面も。玄米の表面は、内部に栄養を凝縮させるためセルロースの硬い膜で覆われています。この膜をそのままにして炊飯しても、玄米は消化されにくく、栄養の吸収も期待できないのです。
この膜をやわらかくし、消化を良くするための方法として6時間~1晩浸水させることを勧める豊田さん。長時間浸水させることで、膜が軟化して、栄養の吸収を妨げているフィチン酸の働きが弱くなり、栄養の吸収がよくなるのだそうです。