子どもの発達障害を支援する〜小学校の「通級指導教室」ってどんなところ?
そろそろ就学前健診の時期。お子さんについて特別な心配事がある保護者は不安な気持ちでいっぱいかもしれません。今回は、特別な教育的ニーズのあるお子さんが小・中学校で受けられる支援のひとつ、「通級指導」について、川崎市教育委員会・支援教育担当者に話を聞きました。
通級指導教室ってなに?
入級の対象となるのは、言語面の課題(発音に誤りがある、話す時につっかえたり同じ音を繰り返したりする、知的な遅れはないが読み書きや会話に苦手さがある等)、情緒面の課題(場に応じたコミュニケーションが苦手、感情や行動のコントロールが苦手等)、聞こえの課題(難聴、聞こえの課題からくる人とのかかわり方の難しさ等)があるお子さん。
通常の学級に在籍しながら、その子の特性にあった個別の指導を受けることができ、毎日の授業や給食など、ほとんどの時間を通常のクラスで過ごし、一人ひとりに応じた頻度で通級指導教室へ通います。
通級の先生は、それぞれの特性やニーズに合わせた「個別の指導計画」を作成し、その計画に沿って指導をしています。
先生とマンツーマンで学習する個別学習室。気が散りやすい特性に配慮したシンプルなお部屋。
入級までのながれ
小学校では、お子さんが通級指導教室での指導の対象となるか検討するまでに、通常の学級の中で以下のようなキメ細かい対応をしています。
1.まず、クラス内で工夫できることを考え実施する
担任の先生と児童支援コーディネーター(=川崎市立小学校において、担任を持たず、校内の特別支援教育・児童指導・教育相談の窓口となる教員)が相談し、座席の配慮、絵や写真等目で見て分かりやすい資料の提示、気が散る原因にもなる掲示物や装飾物を減らす、ノートのマス目を大きくする等の具体的な方法を実施する。
2..校内委員会で個別指導を検討し実施する
管理職、児童支援コーディネーター、養護教諭、各学年の特別支援教育担当等から組織される「校内委員会」を開き、校内の先生が協力して複数で指導したり、別室でその子がつまづいているところを指導したりすることを検討し、実施する。
3.通級指導教室への入級を検討する
1・2だけでは充分な効果が得られない場合、通級指導教室での指導の必要性を検討する。
どんな先生が指導をしているの?
通常の学級の担任や特別支援学級の担任だった先生が通級指導教室の先生になったり、逆に通級指導教室の先生が通常の学級や特別支援学級の担任になったりします。