おうちリトミックで引き出そう! 子どもの“第6感”
リズム感、音感、表現力。リトミックではいろいろな能力が養われますが、中でも重要な力として“6番目の感覚”があります。これはピンとくる直感ではなく筋肉の感覚のこと。
視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感の他にもう一つある、6番目の感覚のことを指します。
筋肉の感覚が身に付くと、体をコントロールできる力、運動神経や集中力もアップします。
子どもに身に付けさせたいこの力、リトミックで伸ばしてみませんか?
お話を聞いたのは:石丸由理さん
国立音楽大学リトミック専攻卒業、ロンドン・ダルクローズ音楽研究所卒業、ダルクローズ・リトミック国際ライセンス取得。ニューヨーク大学大学院修了。「こども未来プロジェクト」を各地で展開し、各園のリトミックを指導するほか、NHK子ども番組の音楽遊びを長年にわたり担当。音楽教材の「ともだちシリーズ」(ドレミ楽譜出版社)ほか、リトミック関係の著書多数。ユリ・リトミック教室(東京都国立市/ http://www.yuri-rhythmic.com/)主宰。
第6感が育つと…1
音楽に合わせて体を動かせる
音楽には「高い・低い・強い・弱い・速い・遅い・激しい・滑らか」など、いろいろな要素があります。その要素と、人間の体の動きが同じことに注目したのが、ダルクローズのリトミック(※)。動きのリズムを筋肉の感覚として体に蓄えることで、音楽をより豊かに表現できる手段としたのです。
「音楽に合わせて体を動かす」という筋肉の感覚は、日常生活にも役立つ大事な力です。
※ダルクローズのリトミックとは…リトミックの創始者である、エミール・ジャック=ダルクローズが提唱した、人の体の動きと音楽を結び付けたリトミックのこと。
第6感が育つと…2
行動する前に準備を整えられる
例えばボールを投げるとき、初めにする動きは何でしょう?腕を後ろに振ることですね。声を出す前には、必ず息を吸います。私たちは何かの動作をするとき、運動の前にまず反対の動作をして準備を整えます。この準備の感覚や、タイミングを生み出すのが、6番目の感覚である筋肉の感覚。音楽だけでなく、運動や日常のあらゆる動作をスムーズに行えることにもつながります。
第6感が育つと…3
自分にできることを見極められる
筋肉の感覚が育つと、自分の体の動きを自覚できるようになっていきます。
例えば何かを跳び越えるとき、「ちょっと無理そうかな」