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3歳で内斜視と診断された娘。悲観する母をよそに娘はたくましく成長し…

あんふぁん
わが家の長女は、3歳で「内斜視」と診断されました。
私は彼女の将来を悲観し、心配する日々が続きました。しかし長女はそんな私の心配をよそに…。
今回は、長女が「自分のできること」に焦点を当てて成長していく姿に、母である私が成長させてもらったと感じることをお話しします。

長女が内斜視と診断されるまで


生後3か月の長女と畳の上でごろごろしていた時。突然、長女からきつい視線でにらみつけられたように感じたことがあります。
当時は、自分自身が疲れていたので、そう見えたのかなと思いましたが、その時の娘の表情を写真に収めました。すると、左の黒目が内側に寄って見えました。

でも、乳幼児だから目の機能がうまく働いていなかったのかな?と思ったくらいで、あまり気にせずにいました。
後で知ることになるのですが、そもそも乳幼児は目に占める黒目の割合が大きいので、斜視に気づきにくいのだそうです。

長女が2歳7か月で引っ越しをし、初日に長女と向き合って夕飯をとったとき、「明らかに左の黒目の位置が違う!」と感じました。でも、荷物の片づけを優先しているうちに忘れてしまいました。
生活も落ち着き、幼稚園に満3歳で通い始めた直後。左の黒目が内側によっていることがまた気になりだしました。
そこで眼科に足を運び、診察を受けた結果、「内斜視」と診断されました。

内斜視だと立体的にものが見えない?


「内斜視」とは、「公益財団法人日本眼科医会」の説明によると「人間の目は、少しはなれて横に二つついているため、左右の目は少し違った角度でものを見ることになります。
これを頭のなかで一つにまとめてとらえることで、立体感や遠近感が生まれます。しかし斜視があると、両目で一つのものを見ることができないので、その機能が発達しません」とあります。つまり、立体的にものを見ること(立体視)が難しいという説明を受けました。
言葉で聞くと分かりにくいのですが、実際の体感としては、片目を完全に隠してレゴブロックを組み立てたり、駅の階段を昇降している状態に近いようです。

3歳で内斜視と診断された娘。悲観する母をよそに娘はたくましく成長し…


内斜視のせいで友達にいじめられるのでは…と心配



また、外見的には、片方、または左右両方の黒目が内側に寄ります。
そのため、当時の長女の表情は、見る人の角度により視線がきつく受け止められるようでした。
実際に幼稚園のバスの先生から、「〇〇ちゃん(長女の名前)、私のことが嫌いなんでしょうか?いつもにらんできて。家で何か私のことを話したりしますか」と聞かれたことも。
娘の目の状態を説明し、そこで初めて誤解が解けたのです。

私は、長女が内斜視のためににらんでいるように見えるせいで、お友達から仲間外れにされるのではないかと心配しました。
そのほかにも、お友達とのかかわりに問題がでてきたらどうしようと悲観していました。
結果を言えば、斜視により人間関係に何か問題が起こったということはなかったのですが、当時はあらゆることに悪い想像を膨らませ、ネガティブな気持ちになっていました。

小学1年生で新体操をやりたいと言い出した!


長女は、小学1年生のときに、かわいい花柄のレオタード姿に一目ぼれし、新体操をやりたい!と言い出しました。
再三、やりたいとせがむので、最終的にOKを出しましたが、心中では「よりによって新体操…」と思っていました。
新体操は、ボールやリボン、フープを投げ、前転して受け取ったりする競技です。
内斜視で立体視ができず、奥行きを理解できない長女にはハードルが高いのではと思ったのです。

私は長女が傷つくことが心配でたまりませんでした。

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長女が望んで続けた道だから成長がついてきた



長女はおっとりした性格ですが、芯の強いところがあり、一度決めたらとことんやりぬくタイプです。
女優でフィギアスケーターの本田望結さんが、テレビで腹筋を毎日600~800回やっていると知ると、「あの動きをするために必要なら」と、自主的に、小学2~3年生の2年間は、一日も休まず腹筋を600~800回やり続けました。
小学4年生では、本人が新体操の選手コースを希望し、無事に入れてもらえましたが、そこからが苦難の道。
たくさんある大会や発表会のたびに指定される手具が、フープ、リボン、クラブ(こん棒)と次々に変わります。
練習では、ほかの子と比べ、明らかに投げた手具をとれないために、指導者から叱責されます。
帰宅後に隠れて泣いていることもしばしばでした。

3歳で内斜視と診断された娘。悲観する母をよそに娘はたくましく成長し…
しかし、長女の内斜視についてや立体視できないことを指導者に伝えるのは控えました。
ほかの子と同じように接してほしかったからです。
低学年の時の腹筋と同様、必要な柔軟や演技をヒマさえあれば練習していました。また、さらに表現力などを養いたいと本人の申し出があり、バレエも習うことにしました。
それからも並々ならぬ努力を続け、長女は新体操に打ち込みました。
私は、長女の新体操への向き合い方を見て、「あぁこの子は“できないこと”にフォーカスするのでなく、“できること”にフォーカスして成長しているんだな」と強く感じました。

新体操が長女と私にもたらしたもの


現在、中学2年生の娘は、新体操をやめ、バレエのみ続けています。
本人に「どうやってリボンやクラブを取っていたの?」と聞いたら、「感覚だよ。このくらいの力で投げたらこのくらいの時間をかけて落ちるってだいたいわかるから。
そもそも、普通の人がどう見てるかなんてわかんないからね。立体視できるのがどういうことかも知らないし」と言われました。
そして、「私は何でも最初はうまくいかなくて下手だけど、やりたいことは諦めないから、上手くいくことが多いんだよね」と話す長女。
彼女は変えられない「内斜視」の事実を素直に受け入れています。そしてやりたいことには努力を惜しまず、粘り強さを見せます。
やりたいことは納得いくところまでやる!というメンタルの強さや姿勢を育ててくれたのは「内斜視」でもあると思います。
その姿は、私自身の生き方にも大きく影響しました。
ヘルニア手術歴も産後のぎっくり腰歴もある私でしたが、諦めずにヨガインストラクターの資格を取りました。
現在講師として、生徒に教えることができています。
長女にはこれからもいろいろと教えられそうです。

<文・写真:ライターみち>

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