シリーズ 専門家にきく! 体験が科学する心をはぐくむ 板橋区立教育科学館にきく科学館の楽しみかた 第4回(全4回)
専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)
第4回親子で科学館を120%楽しむ方法とは
渡邉:科学館での体験をより豊かに、子どもの未来にいつか芽吹くようにするために、保護者ができることはありますか?
持永:お子さんを連れてきたときに、保護者の方もいっしょに体験してほしいと思います。子どもだけに「やってごらん」とやらせるのではなく、保護者もいっしょにやってみる。そのときに「おもしろいね」と声をかけるだけでなく「なんでだろう」と子どもに伝えてほしいと思います。
渡邉:なるほど!
持永:そのときに保護者がしくみをわからなくてもいいんです。保護者が子どもといっしょに体験して、なんでこうなんだろうねと言えば、子どももただ楽しいだけではなく、なんでだろうと思ってくれるんです。その疑問は、その場で解決しなくてもいいんです。
ただ、子どもには「なんでなんだろう」という気持ちをもって帰ってほしいんです。そうしたら、いつかどこかで発見があるかなと。
「あのときの“なんで?”の答えはこれだ!」というように。
「なんでだろう」と子どもに伝えてほしいと話す持永館長
持永:だからわたしは、子どもたちが帰るとき、「科学館で体験したことは科学館で終わりにしないでね」と言っています。身近なところにいろいろな科学があるから、自分なりの科学を発見してほしいというメッセージを毎回伝えるようにしているんです。
渡邉:子どもが科学館から家に帰ってきて、体験したことや得た知識を家族に話しているようなとき、どんな態度をとるのがいいのでしょう。
持永:子どもを先生にするのがいいと思います。
子どもが科学館でなにか学んできて、話したそうにしている状況のときは、保護者は「ちょっと教えて」という姿勢で聞くのがいいと思います。そうなると子どもは得意になって話しますので、自分はそのことにくわしいんだと自信をもつ。そうするとその分野がちょっとでも好きになる、という流れができますので。
渡邉:その後、その子がたとえばカブトムシをすごく好きになって、もっと知りたいと思ったけれど、イベントはもう終わってしまっている。そういうときに、保護者は次のイベントを探したりするほかに、どんなことをしたらいいでしょう。持永:イベントをやっていなくても、まずは科学館に聞いてみるといいと思います。
渡邉:それはおどろきです。「カブトムシのこういうことについてくわしく教えてください」