データで読み解く、子どもとスマホ 第59回 スマホルールを守ることの難しさ
子どもにスマホを持たせる理由は、“しかたなく”と“居場所把握”、ぐっと離れて“ポジティブ利用”の3つに大別されることが調査結果からみえてきました。
7割×7割=5割未満
この調査でも、スマホ・携帯電話を使うにあたって家庭内でなんらかのルールを作っている保護者は7割を超えています。
東京都「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)」より
そして、作ったルールが「守られている」「だいたい守られている」と回答した保護者は7割以上となっています。
東京都「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)」より
さて、ここでひとつ簡単な計算をしてみましょう。
0.7×0.7=0.49
全体の7割の家庭でルールが決められていて、その7割がおおむね守られている、ということを単純に計算すると、上記のとおり。ルールが守られているのは全体の家庭の5割を切っているということになります。
そのことを示す調査結果があります。子どもの携帯電話・スマホの利用を適切に監督できているかという質問では、「利用状況は把握しているが、監督まではできていない」が42.6%。「利用状況を把握しておらず、監督もできていない」の13.9%を合わせると、5割以上の保護者が子どもの携帯電話・スマホの利用を監督できていないと回答しています。上記の計算とおおむね合致しますね。
東京都「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)」より
なにごとも、決まりを作ることは難しいけれど、それを守っていくことはもっと難しいもの。スマホルールも例外ではありません。このことは、今後も悩ましい課題として保護者が向き合って考えていかなければならないようです。
※1東京都「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)
渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。