発達障害はひとつの個性 すべてに通じる読みの流暢さ。読みの苦手を早いうちに見つけましょう
です。
たとえば、「りんごみかんばなな」の中から3つの単語を見つけ出し、その区切りに線を入れていきます。
この2つのテストはそれぞれ1分間でいくつできたかで、学年の平均値との関係を見ます。
1年生のはじめではテスト①と②の合計の平均値が6点ですが、1年近くたつと16点に上昇します。つまり、1年間で読みの流暢性は2.7倍近くになるとも言えるのです。ところが、読むことが困難な子は、初期の段階から一向に伸びていきません。こうした子に対して同じ指導を繰り返すだけでは読み困難を克服することができないので、子どもも親も先生も困り果ててしまいます。
では、どうすればいいのでしょう?
読むことが苦手な子への指導には、絵や動作化がポイント
この教材では、おもにこんな方法で克服していきます。
①1文字がスムーズに読めない子への指導
たとえば「い」の文字を教えるときは、「いぬ」の絵を示し「いぬ」の「い」というふうに、文字と単語と絵のイメージをマッチングさせます。それを、「かるた」や「カードゲーム」など子どもにとって楽しみながらできる方法で行ないます。
②単語になるとスムーズに読めない子への指導
ヒントを出しながらことばを思い出させる、ことば探しをします(これを「語の想起」といいます)。
たとえば、先生(保護者)が次のように子どもに語りかけます。
「『あ』」のつくことば探しをしましょう。黒くて小さくて地面に穴を掘って住んでいる虫は、なーんだ」
子どもが「あり」と答えたら、
「そうだね。では、『あり』って書いてみよう」
子どもはクイズが大好きなので楽しく学習します。
その後、「あめ」「あるく」「あつい」など10問ぐらいの問題を出します。
クイズで使う「単語カード」の裏側には、「絵」を描いておきます。
その日の復習で使ったり、時々使うことで素早く読めるように練習します。
子どもは、自分で作ったカードに馴染み感があり、忘れることが少なくなっていきます。このように、「今日は『〇』のつくことば集めをしよう」というようなことば探し遊びは大変有効です。
③特殊音節が苦手な子への指導
長音の指導:
「おかあさん」を読むときは「おかーさん」というふうに「あ」は伸ばす音になります。これを、理屈で説明しても子どもは分かりません。
このとき、手を打ったり、伸ばす動作といっしょに読むとわかりやすいです。