子育て情報『今すぐ知りたい!  親子のための、学ぶアプリ探検隊 いわさきちひろ 生誕一〇〇年 ~ちひろの目を通して考える「戦争」と「平和」』

今すぐ知りたい!  親子のための、学ぶアプリ探検隊 いわさきちひろ 生誕一〇〇年 ~ちひろの目を通して考える「戦争」と「平和」

平和で、豊かで、美しく、可愛いものがほんとうに好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じます。」(いわさきちひろ1972年)

今すぐ知りたい!  親子のための、学ぶアプリ探検隊 いわさきちひろ 生誕一〇〇年 ~ちひろの目を通して考える「戦争」と「平和」

ベトナム戦争の中にいる子どもたちを描いた『戦火のなかの子どもたち』(左・岩崎書店1973年)と、広島で被爆した子どもたちが体験をつづった作文や詩に絵をつけた『わたしがちいさかったときに』(童心社1967年)

子どもは未来の象徴

――その後、東京で画家になるのでしょうか。

高津:単身で上京してしばらくは、絵の勉強をしながら新聞社で「絵も描ける記者」として挿し絵や広告、ポスターなどを手がけていました。その後、アンデルセンの童話の紙芝居制作をきっかけに絵筆一本で身を立てられるようになります。たくさんのデッサンを重ねたちひろですが、描きたいものは風景より人間、特に子どもというのは当時からの変わらない姿勢です。

紙芝居で画家としての評価を得たちひろは、子どもの本の世界で活躍の場を広げていきます。やがて絵が「文章の説明」ではなく、絵を主体に展開する絵本の制作に乗り出すことになります。それが至光社の「感じる絵本」シリーズです。


今すぐ知りたい!  親子のための、学ぶアプリ探検隊 いわさきちひろ 生誕一〇〇年 ~ちひろの目を通して考える「戦争」と「平和」

「感じる絵本」シリーズのなかの2冊。『あかちゃんのくるひ』(左・1970年至光社)と『ことりのくるひ』(1972年至光社)

――わたしたちになじみ深いちひろさんの絵ですね。

高津:ちひろは自分の描く子どもの絵に「いつも、夢のようなあまさが、ただよう」とし、「実際、私には、どんなにどろだらけの子どもでも、ボロをまとっている子どもでも、夢をもった美しい子どもに、みえてしまうのです」と言っています。

――それはちひろさんの絵を見ていると、本当に伝わってきますね。

高津:そうですよね。ちひろの描く子どもの絵を見ていると、子どもの本当にありのままの無邪気な姿が伝わってきて、悪いことができなくなる感じがします。子どもって未来の象徴ですよね。子どもが子どもらしくいることができる、それこそが「平和」であり、ちひろの願いであるように思います。


平和のために、美術館だからこそできることをしていきたい

――今、戦争の影が薄くなりすぎているのではないか、という思いがあるのですが、「ちひろ美術館」として、「平和」に対してどのように関わっていきたいと考えていますか。

高津:美術館だからこそできることをしていきたいと考えています。

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