発達性協調運動障害とは?ただ不器用なだけではない?症状、困りごと、相談先、家庭での対応まとめ
ですが、発達性協調運動障害と診断される子どもは、乳児期に以下の様な特徴が共通して見られる傾向があります。
例:母乳やミルクの飲みが悪い、離乳食を食べるとむせる、寝返りがうまくできない、はいはいがうまくできない
幼児期は、特に5歳を過ぎると、運動能力の個人差が縮まってきます。そのためこの時期に発達性協調運動障害と診断される場合が比較的多いと言えます。発達性協調運動障害のある幼児は以下のことが不正確であったり、習得が遅れていたり、困難な場合があります。
例:はいはい、歩行、お座り、靴ひもを結ぶ、ボタンをはめる、ファスナーを上げる、平坦な場所でも転ぶ(転んだ時に手がでない)、トイレで上手にお尻をふく
小学校に上がると日常生活、学習生活でより複雑で繊細な動作を求められる場面が増えます。そのため微細運動での協調運動障害が顕著に表れます。発達性協調運動障害のある子どもは以下のことが不正確であったり、習得が遅れていたり、困難な場合があります。
例:パズルを組み立てる、模型を作る、ボール遊びをする、活字をますの中に入れて書く、階段の上り降りがぎこちない、靴ひもが結べない、お箸をうまく使う、文房具作業が苦手(消しゴムで消すと紙が破れる、定規をおさえられずにずれるなど)
発達性協調運動障害の原因
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28061000250
発達性協調運動障害のはっきりとした原因は、まだわかっていませんが、いくつかの原因が検討されています。
まず妊娠中、母親のアルコールを摂取、またはそれによる早産、低体重で生まれた場合、発達性協調運動障害を発症する確率が高いという研究があります。
次に、ADHD、学習障害、アスペルガー症候群を含む自閉スペクトラム症との併発が非常に多いため、なんらかの共通する遺伝的要因があるのではないかと言われています。また、上記のような障害のある子どもは定型発達の子どもより、発達性協調運動障害を発症する可能性が高いと言われています。
5歳から11歳の子どもでは、5~6%が発症します。また、女児より男児のほうが発症率が高いことが分かっています。
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『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版テキスト改訂版)