モデル・栗原類、「発達障害(ADD)って、隠してたつもりはなかったんですけど笑」
などと言われる始末で…。長い間辛抱強く待ってくださって、本当に感謝しています。
―それはそれは…本当にお疲れ様でした。今回の出版は、類さんにとっても新しい挑戦だったと思うのですが、なぜ、ご自身がADD(注意欠陥障害)であることを公表し、書籍まで出版されようと思われたんでしょうか?
類さん: そもそも僕は、自分がADDであることを隠していたことはないんですよ。
―え、そうだったんですか。
類さん: 最近まで、他人から「発達障害なんですか?」なんて聞かれたこともなかったし、聞かれていないなら答える必要もないかと思っていただけで、この仕事をする前から、ブログやツイッターでは自分の発達障害について書いていました。
Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)
―へえぇ、知らなかった…
類さん: だから僕としては、「書いているんだから、みんなもう知っているだろう」ぐらいに思っていたし、テレビ番組で話した時も、「カミングアウトする」というような気持ちでは全くなかったんです。それが、いざテレビに流れるとすごい反響で…
―昨年5月、NHKの「あさイチ」ですね。
放送後、ネットで話題になっていたのをよく覚えています。
類さん: 僕も放送直後に自分の名前でツイッター検索をかけたら、本当にたくさんの方がコメントされていて。自分で言うのもおこがましいんですけど、賞賛のコメントも多く、「公表するのは勇気があることだ」とか「私も勇気をもらった」とか…色んな声をいただけてすごくありがたかったです。
―ポジティブな反応も多かったですよね。
類さん: KADOKAWAさんから出版のお声がけをいただいたのは、それからしばらく経ってからのことでした。
自分と母がこれまでやってきたことや、生まれ育ったアメリカの教育制度など、僕の人生を紐解くことで、もっと多くの人が発達障害に興味を持ってくれるかもしれない。いま発達障害に悩んでいる人たちにとっても何か励みやヒントになるものを提供できるかもしれない。そんな思いで、今回のお話をお受けしました。
他人の気持ちが分からなかった少年が、「演じる」楽しさに目覚めるまで
Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)
―ここからは本を拝見していくつか印象に残ったところを中心に、お話をお聞きできればと思います。
ご自身の特性として、感情表現や人の気持ちを読むことが苦手だと書かれていましたが、俳優やモデルといった、むしろ、感情理解や表現をかなり求められる世界に飛び込んだというのが印象的でした。