2016年11月21日 20:00
PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)とは?自閉症やアスペルガーとの違い、診断・支援方法は?
引用:高橋三郎ら/訳『DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』2004年医学書院/刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4260118897
PDD-NOSという診断区分を定めた『DSM-Ⅳ-TR』は最新の診断基準ではありません。そのため現在、PDD-NOSに相当する症状がある場合は、『DSM-Ⅳ-TR』以外の診断基準で診断をされることが多くなってきています。
ここでは、PDD-NOSに相当する症状が、別の診断基準ではどのような名称なのか紹介いたします。
・『DSM-5』におけるPDD-NOS
『DSM-Ⅳ-TR』の改訂版であり、2013年に発行された『DSM-5』において、PDD-NOSは自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害というカテゴリに変更されています。
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・『ICD-10』におけるPDD-NOS
世界保健機関(WHO)が定める『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(以下、本文中の表記は『ICD-10』とする)という診断基準では、『DSM-Ⅳ-TR』におけるPDD-NOSは非定型自閉症、他の広汎性発達障害、広汎性発達障害,特定不能のものという3つのカテゴリーに相当するとされています。
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参考文献:神尾陽子/著『DSM-5を読み解く』2014年中山書店/刊
PDD-NOSの診断基準
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10131002399
PDD-NOSは、
1.広汎性発達障害にみられる症状がある
2.広汎性発達障害に含まれる他の障害カテゴリー基準に当てはまらず特定できない
という2つの条件をどちらも満たすものです。
そのため、一言にPDD-NOSといっても、その症状は一人ひとり異なります。また、症状の程度は他の広汎性発達障害のなかでは比較的軽いと一般的には言われています。
以下において、PDD-NOSの2つの条件についてそれぞれ説明いたします。
1.他の広汎性発達障害にみられる症状がある
PDD-NOSを除く4つの広汎性発達障害にみられる症状の特徴として以下の3点があります。