2017年4月27日 11:00
「僕だってママといたい…」自閉症の兄をうらやむ弟になんて言ったらいいの?
だから私は笑顔で伝えました。
「君が一番大好きだよ」
すると次男はほっとしたような顔をして靴をはき、カバンを背負いました。必死で気持ちに折り合いをつけているのを感じ、見ていて辛くなったことを覚えています。
「ママはやっぱりシュウちゃんの方がかわいいんだ!」次男の感情がついに爆発
そうして夏休みが過ぎ、最初の登園日がやってきました。
「今日はママ、お兄ちゃんの園に行くから延長保育だよ」
そう言ったときです。次男は顔色を変え通園カバンを投げました。
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「幼稚園に行きたくない!」
真っ赤な顔で大粒の涙をこぼしながら叫びます。
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と言い、小さな体を震わせていました。
どうしてママはシュウちゃんについていくの、僕はひとりで幼稚園に行くのに……
そんな思いが抑えきれなくなったのでしょう。
「シュウも普段1人でバスで通っているよ。ママが行くのは1週間に2回だけだよ」
どんな言葉をかけても次男は聞こうとしませんでした。
お兄ちゃんが通う園は病気の子どもたちが行くところだから、ママがつきっきりでも仕方ないんだ――頭では分かっていたと思います。けれど幼いゆえ、自分だけが一人で幼稚園に通うことを、不公平だと感じるのは無理からぬことだったかもしれません。
「ママはやっぱりシュウちゃんの方がかわいいんだ!」
そんな風に感じ、我慢が限界を超え爆発してしまったのでしょう。
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それに加えて次男は、療育に3人で通っていた日々がとても居心地のよい記憶として残っていたのだと思います。
療育のクラスの子どもたちは、まだ発する言葉も少なく穏やかです。けれど幼稚園の男の子たちは戦いごっこをし、動きも活発です。ふたつの環境を見ていた次男は自分が幼稚園の子どもたちとどう接していけばいいのか、戸惑いを覚えていたのかもしれません。
きょうだい児だからこそ「君が一番」の時間をつくる
次男の気持ちは分かっていたつもりですが、私自身どうすることもできません。ただ幼い子どもには、きちんと言葉にしないと愛情は伝わらないんだ、ということは実感しました。だから次男に言葉をかけるときには「必ず君が一番」と言い続けることにしよう……。
そして楽しみを用意して、しゃくりあげる次男の頭をなでてやるしかすべがありませんでした。