赤ちゃんと目が合わない…原因や疾患・自閉症スペクトラム障害との関係、 育児不安への対処法まとめ
自閉症スペクトラム障害の診断がつくのはだいたい3~5歳と言われています。このくらいの年齢になると、以下のような自閉症スペクトラム障害の特徴が目立ちやすくなります。
◇周囲にあまり興味を持たない傾向がある
例えば、生活の中で次のような様子が見られます。
・視線を合わせようとしない
・他の子どもに興味をもたない
・名前を呼んでも振り返らない
・指さしをして興味を伝えることをしないなど
◇コミュニケーションを取るのが困難
以下のように、会話や人と関わることが難しいと感じていることがあります。
・言葉の遅れや、オウム返しが見られる(知的障害を伴う場合)
・一方的に言いたいことだけを言ってしまう
・質問に対してうまく答えられない
・ごっこ遊びなど、集団での遊びにあまり興味を示さないなど
◇強いこだわりを持つ
日常生活での強いこだわりとは、例えばこのようなことを指します。
・興味を持つことに対して、同じ質問を何度もする
・ものごとの手順が変わると混乱してしまう
・視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚に対して過敏、鈍麻があるなど
自閉症スペクトラム障害の診断がつく年齢では、このような特徴がいくつか見られるようになります。
注意しなければならないのは、単に「赤ちゃんと目が合わない」ということだけで自閉症スペクトラム障害ということではないということです。
自閉症スペクトラム障害の診断が出ている子どものパパ・ママが、その子どもが赤ちゃんだった時を振り返ってみて「そういえばあまり目が合わなかったな…」と思い起こすことはあるようです。
ですが、自閉症スペクトラム障害はそれだけで判断されるものではなく、子どもの気になる様子と診断基準を照らし合わせ、総合的に判断されます。
また、生後すぐに自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害の診断がつくことはありません。パパ・ママが自閉症スペクトラム障害の診断を求めても、赤ちゃんに対しては経過観察のような措置が多く取られることに、心配や不安の気持ちを抱くのも無理はありません。目が合わない赤ちゃんに対しては、「それだけで自閉症スペクトラム障害であるとは言えない」「赤ちゃんの時点で自閉症スペクトラム障害であると明確に診断できる場合は少ない」という2点をまず押さえましょう。
そのうえで、それでも不安が残る場合や、目が合わないということに加えて他にも気になる様子が見られる場合は、かかりつけの小児科や近くの保健センター、子育て支援センターなどでその旨を詳しく相談することをおすすめします。