「ママ、20歳になったら胸を取る手術していい?」
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10230001381
アスペルガー症候群のある娘。彼女の第二次性徴は10歳ごろにやってきました。早くも生理が始まり、体つきがどんどん女性らしく変化していきます。
生理については私自身も人と比べて早い時期に始まったこともり、娘には生理が始まる前にネットで適切な情報を載せているサイトを探し、プリントアウトして手渡すようにはしていました。それは、反抗期がはじまっている娘にとって、そういった話を直接私から聞くことを嫌がっていたからでもあります。
生理が始まったときはすぐ報告してくれたので、手当ての仕方は繰り返し丁寧に教えることができました。それでもよく失敗しましたが、そのときの恥ずかしさは私も身に覚えがあったので、決して怒らず片付けて、余裕ができてきたら自分で処理する方法を教えると、本人も気が楽になったようです。
あと、体毛が生えてきたときなどもびっくりして「こんなの生えてきたけど大丈夫?」と一つひとつ確認してきたのを覚えています。
そんな娘にとっての一番の問題。それは、胸が大きくなることだったのです。娘は変わり始めた自分の胸を嫌悪していました。
「ママ、これ以上目立たないようにしたいからさらし買って」
「胸を小さくするにはどうしたらいいの?」
「どうしてもいやだったら手術を受けて胸取ってもいい?」
本人は真剣です。私もここは真剣に答えるべきだと判断しました。
「あなたが大人になって、よく考えたうえでやっぱり手術を望むのなら反対しないよ。手術したら元には戻せないからよく考えて決めようね。息子になったとしても私は受け入れるから。」
それを聞いて娘はホッとしたように笑顔を見せました。
性同一性障害の子どもたち
Upload By ヨーコ
その後、性的マイノリティなどに詳しいソーシャルワーカーにその話をしたら、「とてもいい対応だったと思いますよ」とのコメントをいただきました。その理由は、身体の性と心の性が一致しない人は、そのことに気付かされたときに最大の精神的危機を迎えるからだそうです。
日本性教育協会が発行している「現代性教育研究ジャーナル」にもこのような内容を見つけました。
性同一性障害(Gender Identity Disorder: GID)