書き初めの宿題が憂鬱…書くことが苦手な子どもへのサポート、 習字による書字向上のポイントをご紹介
・句読点などを忘れるなど
特に、太字で示した困りごとは、書き初めをうまく進められない原因に直結しやすいと言えます。
協調運動とは、手と手や手と目、足と手など、個別の動きを一緒に行う運動を指しますが、発達性協調運動障害があると、手と手、目と手、足と手などの個別の動きを一緒に行う運動が著しく困難になります。
人間の運動機能は、粗大運動と微細運動にわかれます。粗大運動は、歩く・走る・姿勢を保持するなど、体全体を使った人間の基本的な運動のことです。一方微細運動とは、持つ・書く・つまむ・ひねるなど、指先を使った緻密な運動を意味します。
通常、さまざまな感覚器官から得られた情報をもとに、始めは粗大運動を習得し、次第に段階を踏みながらより細かい微細運動ができるようになります。そのため、協調運動に関する困りごとがある際は、粗大運動の働きからつまずいているのか、その先の段階でつまずいているのかなどを確認する必要があります。
書き初めでは、普段はあまりしない姿勢をとりながら、あまり使い慣れていない筆を使って字を書くことになります。
お手本を見ながら手を動かすという協調運動も必要になります。つまり、さまざまな動きや、その協調が必要となる複雑な運動といえます。
発達性協調運動障害があると、書き初めを行う際に次のようなことに困難を感じる可能性があります。
・姿勢を維持するのが苦手で文字を書くことに集中できない
・筆を握り続けることができない
・筆先が震えてしまう
・紙を触る力加減が分からず、破いてしまうなど
視空間認知とは、目から入った視覚の情報を処理し、空間の全体的なイメージをつかむための機能です。ものとの距離感や奥行き、文字や形を把握する時に使われます。
視空間認知は、運動機能や記憶力とも関連する重要な機能です。それゆえに、視空間認知が弱いと、ものを覚えることや、体を動かすことに対して苦手意識を感じることが多くあります。
視空間認知が弱いと、書き初めを行う際に次のようなことが起こるかもしれません。
・文字が折り目などで決めた範囲内に収まらない
・お手本と手元をバランスよく見比べ、書き写すことができない
・硯(すずり)の決められた位置に墨汁を入れ、筆に墨をつけるという一連の作業がうまくできない など
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意、多動性、衝動性の3つの症状がみられる発達障害のことです。