2018年8月31日 07:00
高次脳機能障害とは?症状・診断基準・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ
高次脳機能障害と似ている疾患として、認知症が挙げられます。認知症も認知機能が低下していく病気ではありますが、全体的に機能低下していくのが特徴です。高次脳機能障害の場合は部分的に機能が障害されるため、全体的な機能低下でないことが多いとされています。
高次脳機能障害の治療方法
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28194000268
高次脳機能障害を起こす原因となった病気やけがの治療が終わったあとは、高次脳機能障害に対する治療を行っていくことになります。
高次脳機能障害は、発症から数年以内であれば、リハビリテーションなどの治療によってある程度改善することが期待できます。また、発症年齢が若いほうが改善の度合いはより良いとされています。
しかし、脳の損傷の程度によっては、十分な治療をしても大きな後遺症が残ってしまうことがあります。そうした場合は、日常生活や健康管理、コミュニケーションなどの面で、家族や専門職による継続した支援が必要になります。
高次脳機能障害の治療においてメインとなるのが、リハビリテーションや社会生活に対応するための訓練です。このリハビリテーションや訓練は、大きく分けて3つの種類があります。
・医学的リハビリテーション:病気やけがなどの急性期の治療が終わったあと、医療機関で行われるリハビリテーション。認知リハビリテーションとも言う。認知機能の回復や、残された能力を使って生活ができるようにするために行われます。
・生活訓練:日常生活を送る上で、必要な行動をできるようにするための訓練。
・職能訓練:生活訓練がある程度進んだ段階で、状態にあった職業を選んだり環境を整えたりするために行われる訓練。
生活訓練と職能訓練は、障害者支援施設や障害者職業リハビリテーションセンターなどで行われます。
個々の障害の種類や程度によって必要な訓練は異なるため、それぞれに合わせたゴールを定めて、訓練を行っていきます。
リハビリテーション以外にも、状態に応じて薬を使った治療が行われます。高次脳機能障害で注意が必要なのが、てんかん発作です。てんかん発作は脳の損傷も原因となります。その発生を抑えるために服薬することも少なくありません。
また、感情のコントロールがうまくいかずに人間関係に影響を及ぼしている場合などにも、薬物治療が行われることがあります。