子育て情報『高次脳機能障害とは?症状・診断基準・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ』

2018年8月31日 07:00

高次脳機能障害とは?症状・診断基準・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ

・方向性注意障害:損傷を受けた脳の反対側の空間のみ注意を向けられなくなった状態です。左側の半側空間無視が多く、左側にあるものを認識できず、食事時に右側にあるものだけを食べたり、絵を描いても右側しか描かなかったりします。

このほか、一度に1つのものにしか注意が向けられない「同時失認」もありますが、比較的珍しい症状とされています。

遂行機能障害は、物事の計画を立てて、その通りに行動することが難しくなる状態を言います。

人は何かをするときに、頭の中でその順序を決めたり、必要なものを準備したりすることができます。しかし、この遂行機能が障害されると、物事を達成するのに何が必要なのか、何をすればいいのか、その順番の組み立てはどうするのか、などの判断が難しくなってしまいます。

マニュアルや工程表などがあれば、その通りに実行するのは可能です。ただし、イレギュラーなことが起きたときに、再度その場で計画を立て直すということができないので、臨機応変な対応は難しくなります。


社会的行動障害にはさまざまな症状がありますが、それらによって社会的生活を営むことが難しくなる状態を言います。中でも代表的な5つの状態について説明します。

・対人技能拙劣(せつれつ):相手の気持ちや立場を配慮することができず、人間関係をうまく築けない。

・依存性、退行:まわりの人を頼る傾向が強くなったり、子どもっぽくなったりする。

・意欲、発動性の低下:運動障害や精神的なうつ状態がないのに、自発的に何かをしようとしなくなる。

・固執:一つの物事に対してこだわりが強くなる。

・感情コントロールの低下:すぐに怒り出したり、暴力的になったりする。

そのほか、気分が落ち込んでしまう抑うつや、性的逸脱行為、食欲や物欲などを抑えられない欲求コントロールの低下などが起きることもあります。



高次脳機能障害の診断基準

高次脳機能障害とは?症状・診断基準・治療法・相談先・周囲の対応法まとめの画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28061000244

国立障害者リハビリテーションセンターが作成した行政上のガイドラインでは、以下のように高次脳機能障害の診断基準が定められています。Ⅰ.主要症状等
1.脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
2.現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。

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