子育て情報『先生は「学校へおいで」と追い詰めなかった——約1年半不登校だった息子が、復学するまで』

2019年6月25日 11:10

先生は「学校へおいで」と追い詰めなかった——約1年半不登校だった息子が、復学するまで

同じクラスのJ君に誘われたから。行ってもいい?のん(私の呼び名)も付き合ってくれる?」


久しぶりに登校し、文化祭を楽しんだ息子の口から出た意外な発言。しかし、いつ気が変わるかも知れず…

先生は「学校へおいで」と追い詰めなかった——約1年半不登校だった息子が、復学するまでの画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10230001659

文化祭のスケジュールは、午前中が体育館で行われる音楽発表会、正午手前に各々の教室で帰りの会を行い解散、あとは自由見学となっていた。いつごろ行きたいのかと息子に聞くと、音楽発表会の時間から行きたいのだという。私の都合で朝一番からの見学は叶わなかったが、それでも早いうちに学校にたどり着けた。

実のところ、体育館のような空間に響く音声というものは、聴覚過敏を持つ私が苦手とするものだった。両耳から勢いよく水を流し込まれるような痛みと不快感で、めまいと吐き気を催してしまうのだ。デジタル耳栓を用意していなかったことを激しく悔やみつつ会場に入ると、存外辛くない。
不快感がゼロというわけではないのだが、幾分か楽だ。どうやら私は「体育館のような空間で、“複数の人が雑談している声”の響き」が苦手であり、音楽だとそこまでではないようなのだ(体育館や音楽にもいろいろあって、どこでもそうとは言い切れないが)。

さて、私自身が特性について再発見をし、1人密かに感激していたところ、担任の先生が私たち親子の姿に気づいた。息子をクラスメイトたちが並ぶ列へ、そして私も発達障害の当事者であり、聴覚過敏を持っているとご存知の先生は、私を保護者席から離れた職員席へと、それぞれ誘導してくださったのだ。

息子は列の最後尾についたのだが、前にいた子が気配を感じたのか、振り向いた。更に前の子が何かを察して振り向き、また更に前の子が…というように次々とみんなが息子の存在に気づいて、声こそ出さないし、振り返るのもそれぞれ1、2回であったものの、そわそわとした雰囲気になるのが、見ていておかしいやら微笑ましいやら。

演奏が終わり、一旦休憩になった途端、
「ハルくんだ!」「ハルくんだ!」「ハルくんがいる!」「ハルくん、久しぶり!」
と、たくさんのクラスメイトが一斉に息子に駆け寄ってくれた。詳しい会話の内容までは聞こえない。
息子本人はとても照れくさそうな、でも確実に嬉しそうな表情で応対しているのが分かった。

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