2020年9月25日 08:00
「やりたい」と「できる」のギャップで癇癪に!ゲーム、料理、工作も…今、趣味を楽しむASDコウとの親子二人三脚の道のり
これは趣味や遊びに限らず、鉄棒・縄跳び・自転車・九九などの「新しいことを覚える(身に付ける)」状況で毎回起きていることなので、親の方も泣き崩れるコウのことを“お馴染みの途中過程の1つ”と捉えて、「最初は大体こんなものだよ、大丈夫だよ」となだめ励ますようになりました。
コウが努力や練習でつまずいていたとしても、それらを代わりにやってあげることはできません。私が自転車に乗ってもコウが乗れるようになるわけではありません。
折り紙でつまずいた工程を折ってあげれば「その折り紙」は完成しますが、「それが折れる自分」にはなれないので、コウは「これは僕には折れないんだ…」としょんぼりしてしまいます。
Upload By 丸山さとこ
このように「もうダメだ!僕にはできないんだ…」と絶望までの距離が短い(そして沈み方が深い)コウですが、泣いたり絶望したりしながら頑張る努力家でもあります。そんな彼が少しでも希望を持って取り組めるように、私も一緒に二重飛びの練習をしたり、折り紙をしたりするようにしています。
「ここをこうするとできるよ」と実際に見せながらアドバイスしたり「あー、分かる。ここ難しいよね」と共感したりしながら一緒に試行錯誤し努力を重ねていくことで、コウも「何とか前向きに取り組むことができた」そうです。
“乗り越えられる自信”は、ゆっくり少しずつ
すぐに「もうダメだ…!」となってしまうコウも、今では「少しだけ持ちこたえられるようになった」と言います。
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「1人だと心が折れた時にそのまま倒れてしまうところを、お母さんが支える柱になってくれていた。今は、その柱が『過去の経験』になってきたなと思う」と振り返る彼に、“過去の経験”の柱は、どういうものでできているの?と聞いてみると、
「『前にもこうやって絶望してたけど頑張ったら大丈夫だったし、できなくってもどうにかなるわけじゃない』ってことが分かってきた」
と笑って答えてくれました。「一回泣いて『もうダメだー!』ってなってから、『ハァ、やるか』ってなる(笑)」とのことで、彼なりに“見通しが立たず絶望しやすい自分”との付き合い方を構築していっているのだなーと感心しました。
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“いちいち泣かずに頑張る”のも成長なら、“泣きながら『ハァ、やるか』と言って頑張る”のも成長なのだとコウに教えられているなと思います。