【書道家・武田双雲さん】多動、衝動、トラブルも多いけれど「自分が大好き」で、「唯一飽きないのは書道だけ」。根底にある親子関係、会社員時代の驚きエピソードも
――なんだか宇宙的ですね。でもそのコツ、知りたいです!
双雲:一番はね、感動することです、あらゆることに。自分の目が動いてることに感動して、生きてることに感動して、空気があることに、空に風に感動して、葉っぱの揺らぎに感動して、見境なく感動する。
――そういった感動のエネルギーをためておくと、いざ書く、というときに出てくる?
双雲:そうそう、だから書くそのときの心の動きだけじゃなくて、1回1回の感動を味わい尽くしてそれを繰り返すと、エネルギー値は高まります。
見境なく感動することって、実は小学校低学年ころまではみんながやっていたことですよね。これは価値があるとかないとか、レッテルは貼らない、ジャッジもしない。見たもの感じたものすべてに感動していく。小さいころは、石ころを蹴るだけで楽しかったじゃない?落ち葉を見るだけでちょっとワクワクしたよね。
そのときに、落ち葉という名前も知らなかった。
大人になるといろんな思想や文脈が入り込みすぎちゃうけど、子どもってそういうことは思わない。そのまま大人になるのはまずいと思われるけれど、たまたま僕は発達できないまま、無邪気でいられたのが、今はアーティストとしてはそれがいいと言われる。僕は正しいわけじゃないんだけれど、共感してるくれる人が多い、ということなんだと思う。――今を感じて、感動し続けるんですね。
双雲:大人になって、幸せを獲得するためにお金を稼いだり、人から評価をもらったり、いい大学に行ったり会社に就職したりということに、みんながいいというレッテルを貼っている。でも、もし収入・地位・名誉みたいなものを獲得するのが幸せになることなら、何も得てない子どもは不幸だということになってしまう。
逆に、評価されてる人は皆、心が満たされているのかというと、満たされてないじゃないですか。
社会的に大活躍している人が壮絶な精神病になったり自殺したりするでしょ、昔から。
だから社会的評価とか実績とかは幻で、幸せとは関係ない。社会的評価や成功はゲームなんだというくらいに思っておけばいいんです。
いつか幸せになる、は絶対ないです。今、石ころを見て幸せな方がいいじゃないですか。
――ひとつひとつ今身の回りにある環境に感謝していくと、幸せになる、そういうことなんでしょうね。
ひたすら「かわいい、大好き」と思って育てる。それが一番!
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―ー双雲さんご自身と似たようなタイプのお子さんを育ててる保護者へのアドバイス、ありますか?
双雲:たとえば、とても真面目な「ちゃんとしなきゃ」