2021年5月18日 06:15
教室で体調悪化、保健室で回復?不快感を表現できなくて…『感覚過敏研究所』を立ち上げた現役高校生が伝えたいこと【連載#01】
という話になりました。デジタル耳栓の資料をもらい、家に帰って母に話してみました。
デジタル耳栓とは、環境騒音を防ぐ電池式の耳栓です。話し声などは聞こえるので授業などで使用しても先生の声は聞こえるという説明でした。どんなものか分からないので、まずは買ってみることにしました。
Upload By 加藤路瑛
デジタル耳栓をすると、エアコンから聞こえる空調音が消えました。時計の音、外から聞こえる車の音。そういう雑音が消えました。
話し声はしっかり聞こえました。ただ、ワイヤレスではなくコード付きでしたので、コードのこすれる音が耳に入り快適とはいえませんでした。でも、これで学校にいるときの体調不良が治るなら、まずは使ってみたいと思いました。
デジタル耳栓を使うことのカミングアウト
保健室の先生と担任の先生にデジタル耳栓を使いたいと話しました。先生側からの提案だったのでもちろん使用の問題はなく、担任の先生は、学年や担当教科の先生に僕がデジタル耳栓を使うことを説明してくださいました。
1つの課題は、クラスメイトの反応でした。黙って使用すれば、イヤホンで授業中に音楽を聴いている人に見えるかもしれません。クラスのみんなにも、デジタル耳栓を使うことを知ってもらう必要があると先生に言われました。
担任の先生は理科の先生でした。ある日のホームルーム。先生は、音が聞こえる仕組みや音域の話など、聴覚の説明をしながら、デジタル耳栓の効果など科学的に説明してくれました。
そして、「これから加藤さんはデジタル耳栓を使うのでよろしくお願いします」と話してくださいました。そのおかげか、デジタル耳栓をつけていても、クラスメイトに何か言われることもありませんでした。
しかし、残念なことに甲高い声をシャットダウンする機能はありませんでしたので、僕の頭痛は頻繁に発生しました。授業中は、みんながノートをとる筆記音や、電気や空調の「ジー」とか「ゴー」というような雑音はなくなり集中できました。
感覚過敏を知ったときの解放感
保健室の先生に「聴覚過敏」」という言葉を教えてもらいネットで調べました。
すぐに「感覚過敏」という言葉にたどり着きます。感覚過敏とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの諸感覚が過敏になっていて日常生活に困難さのある状態をいいます。
・苦手な音があるって頭痛がする。
・ニオイに敏感で、いろんなニオイが混ざった場所にいられない。