子育て情報『教室で体調悪化、保健室で回復?不快感を表現できなくて…『感覚過敏研究所』を立ち上げた現役高校生が伝えたいこと【連載#01】』

2021年5月18日 06:15

教室で体調悪化、保健室で回復?不快感を表現できなくて…『感覚過敏研究所』を立ち上げた現役高校生が伝えたいこと【連載#01】

・レストランは食べ物が混ざったニオイがして苦手。
・食べられるものがほとんどない。
・靴下が痛くて履けない

自分のさまざまな困りごとや不快感が、感覚過敏の症状にあてはまっていました。「僕は感覚過敏だったんだ」そう思ったときの納得感。今までのつらさの原因がわかった解放感は言葉では表現が難しいですが、曇っていた視界がクリアになった瞬間でした。自分が自分でないような感覚、暗闇の中をよくわからないまま歩いていた状態、そんな説明し難い状況が本当に吹き飛んだのです。


聴覚過敏、小さい子が表現するのは難しい

僕は中学に入ってから、女子生徒の甲高い声で頭痛がすることに気がつきましたが、症状が出たのが中学生というわけではありません。振り返れば、小学生のころから頭痛持ちでした。
頭が痛いことは伝えられますが、その理由を分析することはできませんし、どんなときに起こるのかも考えることはできませんでした。とにかく頭が痛いのです。

たとえ、苦手な音が何なのか自覚できたとしても、聴力に問題がないとか、普段は問題なく生活できていれば、「ちょっと神経質な子」「わがままな子」と思われる可能性もあります。僕は中学生で気がつき、自分の状況を冷静に先生に相談することができました。もし、僕が、教室で不快な音があったとして、急に耳を塞いでしゃがみこんだり、「うるさい」と怒鳴れば問題児扱いされたかもしれません。

小さい子が苦手な音があって辛いということを親や先生に伝えるのは難しいことだと思います。ですから、子どもと不快のもとが何なのか話し合える環境が大事だと思います。僕は、自分の経験から、自らの感覚の過敏さを表現できない子のために、「感覚過敏研究所」で感覚過敏をキャラクター化して、感覚過敏マークを作っています。
缶バッジにして販売もしています。

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Upload By 加藤路瑛

https://kabin.life/archives/1924
参考:感覚過敏研究所の感覚過敏缶バッジの詳細

感覚過敏缶バッジを手にしながら、生徒たちが「私の中にコアラ(味覚過敏)がいる」「僕はウサギ(聴覚過敏)」と自分の過敏さを見つめ、生徒同士で語り合えたという事例を、感覚過敏缶バッジを活用してくださっている学校の先生から連絡いただいたこともあります。

このように過敏さを視覚化し、自分の中にある困りごとを表現できるようになることが感覚過敏の困りごとを解決する一歩だと僕は思っています。

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