2021年11月28日 14:15
粗大運動(そだいうんどう)とは?発達の目安や遅れている場合の原因、発達障害(神経発達症)との関係、育み方まで解説
好奇心によって起こす行動は、知らないことに挑むことです。発達障害(神経発達症)がある子どもにとって、予測ができないことは怖いことに繋がることが多く見られます。新しいことに挑戦したがらず、自分から移動して「見てみよう」「やってみよう」とならない場合があります。
発達障害(神経発達症)以外にも、運動神経や体の機能の問題で、粗大運動の成長が遅れることがあります。
●筋肉の低緊張
フロッピーインファント(筋力が弱い病気がある子ども)の場合は、首座りの段階から、粗大運動の発達が遅くなります。ダウン症のある子どもの特徴として筋肉の低緊張があり、その場合は関節がやわらかいために粗大運動の発達に遅れが見られますが、それでもいずれは歩けるようになります。ただ、関節が硬くて低緊張の場合は、脳性まひや筋ジストロフィーの可能性があり、歩くことが困難な場合があります。老人のように膝に手をついて立ち上がるようなときは、筋ジストロフィー症のような筋肉疾患の可能性があります。
●股関節の病気
股関節脱臼や、大腿骨の末端の病気であるペルテス病などの場合は、痛みがあるために立ちたがらない、歩きたがらないということもあります。
ほかにも、朝は歩けるけれど夕方になると歩きづらくなるような日内変動がある場合、若年性パーキンソンや遺伝性進行性ジストニア(瀬川病)の可能性もあります。
いずれにしても、粗大運動の遅れだけでは、必ずしも発達障害(神経発達症)やなんらかの疾患があるとは言えません。それぞれ、そのほかの特徴的な傾向が見られるはずです。サインを見逃さずに早めに診断して理学療法・作業療法などのリハビリを始めることは大事ですが、自己判断で思い込んだりせず、必ず医療機関で相談しましょう。
粗大運動の発達を促すにはどうしたら?
粗大運動の発達を促すことは、感覚統合にもつながり、心の発達も促すことにつながります。粗大運動の発達が遅れている、とあきらめないで、できることからスタートしてみましょう。それは、難しいトレーニングではありません。
楽しい遊びの中にあります。
見る、聞く、触る、揺れを感じるといった感覚刺激を楽しく経験することによって、感覚の刺激を適切に処理できるようにしていくことができます。こうしたことから、公園やアスレチックにある固定遊具を使った遊びがおすすめです。
たとえば滑り台。手足を動かして階段を上り、上半身が倒れないようにバランスをとりながら傾斜を滑り降ります。