子育て情報『発達障害領域でも広がる作業療法士(OT)の役割とは。発達に凸凹がある子どもたちの身近な存在を目指してーー日本作業療法士協会 中村春基会長インタビュー』

2022年8月1日 14:15

発達障害領域でも広がる作業療法士(OT)の役割とは。発達に凸凹がある子どもたちの身近な存在を目指してーー日本作業療法士協会 中村春基会長インタビュー

医学的知識のある作業療法士が身近な存在となれば、必要があればスムーズに医療機関と連携し、早期に治療や療育を始める助けともなるはずです。作業療法士が、生活と医療を結びつける架け橋となれたら!作業療法士協会がめざす大きな目標の1つです。

将来的には日本でも「町の作業療法室」のような場所があちこちにできて、困りごとがある人がふらっと相談できるようにしていけたら、と考えています。


作業療法士(OT)がプロの経験と知識で、保護者の不安を解消!

発達障害領域でも広がる作業療法士(OT)の役割とは。発達に凸凹がある子どもたちの身近な存在を目指してーー日本作業療法士協会 中村春基会長インタビューの画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161017576

――作業療法の支援計画はどのように立てていくのでしょうか?

中村:ひとくちに発達障害の作業療法といっても、実にさまざまなアプローチがあります。たとえばおもちゃやボール、楽器を使った手先や運動の訓練のほか、スーパーに買い物に行ったり、子どもたち同士で料理をしたり、ときにはみんなでスポーツ観戦に出かけたりすることも。具体的な生活の場面で、何ができていて、どんなことに困っているかといったことを、学校や園、また地域社会での経験を通して子どもと一緒に考えていきます。

豊富な医学的な知識に加え、心理学や社会資源に関する知識をもとに、子どもの成長の一歩先を見ながらお子さん自身の気づきと変化をサポートしていくのです。
だから、作業療法の現場はいつでも前向き!作業療法士は、「この子が持っている能力は何か」「今の運動機能と知的な能力だったらどんな遊び、勉強、作業ができるか」をすばやく見つけ、子どもが成功体験を感じられるシーンをたくさんつくっていきます。

――保護者の方にとっても、発見が多そうですね。

中村:そうですね。こうした働きかけは、そのまま保護者へのサポートにもつながります。保護者はともすると、わが子の苦手や不得意な面に目が行ってしまい「なんとか克服させてあげたい」と思いつめがち。そこに作業療法士のプロフェッショナルな視点が入ることで、「子どもの可能性や能力に気づき、子育てがより楽しく気が楽になった」という声も聞かれます。

――学校や園の先生はどうでしょうか?

中村:学校や園の先生からも、作業療法士と協働することで支援がしやすくなった、という声が届いています。

例を挙げると、「学習が困難なことの背景には、眼球の動きや姿勢を保つことの難しさなどの原因があることを知り、決して怠けているわけではないということが分かって教師としてもうれしかった」

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