子育て情報『発達障害領域でも広がる作業療法士(OT)の役割とは。発達に凸凹がある子どもたちの身近な存在を目指してーー日本作業療法士協会 中村春基会長インタビュー』

2022年8月1日 14:15

発達障害領域でも広がる作業療法士(OT)の役割とは。発達に凸凹がある子どもたちの身近な存在を目指してーー日本作業療法士協会 中村春基会長インタビュー

「授業の様子をこまかく観察してもらい、道具や教材の工夫で困りごとがある子どもたちにもできることが増えることが分かりました!」などです。こうした声を聞くことは、私たち作業療法士の何よりの喜びです。


発達が気になるお子さんの保護者同士をつなげられる機会を

――発達が気になるお子さんの保護者の方へメッセージをお願いします。

中村:私にも3人の子どもがいますが、今振り返れば、息子の1人は発達障害の特性があったのではないかなと思います。3歳児健診で運動機能面での発達の遅れを指摘されたほか、小学校に入学してからも片づけられない、翌日の準備ができない、といった困りごとがどんどん出てきました。

ただ、30数年前は発達障害についての認知が進んでいなくて、私も恥ずかしながらまったく知識がなかったんですね。例えるなら、息子を無理やり学校に引っ張っていたような状況で、のちに発達障害についても勉強を深めるなかで「なんて親だったんだ」とつくづく反省しました。

今は、発達障害について以前よりも社会の理解が進み、専門機関だけでなく、学校や放課後等デイサービスでも相談できる体制があります。
発達障害のあるお子さんを育てるなかでは、悩んだり、不安になったりすることもあるでしょう。そんなときは、どんなことでもプロに聞いてみてください。家庭のなかだけで抱え込むと、追い込まれてしまいます。相談するのにも、最初は勇気がいるかもしれない。でも、勇気を出した先には、きっと気持ちがラクになる、親子ともに笑顔が増えるうれしい変化があるはずです。

――相談することは子どもにとってだけではなく親にとっても、大切なのですね。

中村:そうなんですよね。子どもはとても敏感で、親が不安になっていたらすぐに気づくものです。
その子らしい発達を支援するためには、保護者のサポートが重要なのです。専門家と一緒に、その子の特性を正しく理解できれば、いたずらに不安が大きくなったり、できないことばかりにフォーカスしてストレスをためたりしてしまうこともなくなります。

作業療法の現場では、同じような悩みを抱える保護者同士が話せる場を設けたり、発達障害のあるお子さんを育てた先輩パパ&ママから数年先の見通しについて聞く機会をつくったりと、さまざまな取り組みをしています。気になることがあったら、ぜひお住まいの地域の作業療法士会に問い合わせてみてください。

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