子育て情報『小児特発性ネフローゼ症候群とは?治る?症状や原因、日常での注意点【医師QA】』

2023年10月28日 12:15

小児特発性ネフローゼ症候群とは?治る?症状や原因、日常での注意点【医師QA】

小児特発性ネフローゼ症候群ではむくみを主な症状としているほか、急性腎障害、血栓症、感染症などのリスクもあり、生活に支障が出ることも珍しくありません。自然に治ることはほとんどないため、ステロイドなどを用いた治療を行っていきます。

また、小児特発性ネフローゼ症候群は小児慢性特定疾患にも指定されていて、申請することで医療費の助成を受けることが可能です。経済的な負担を減らすためにも、活用していくといいでしょう。


小児特発性ネフローゼ症候群は治るの?治療のガイドライン

小児特発性ネフローゼ症候群は自然に治ることはほとんどないため、病院を受診し適切な治療を行っていくことが重要です。治療にはガイドラインが確立されており、多くの場合はステロイドを用いた薬物療法が行われます。

小児特発性ネフローゼ症候群はステロイドを用いた治療が効果が高く、治療においてはまずはステロイドを用いた治療が試されます。

ステロイドを服用することで、約90%の方が尿たんぱくがなくなって症状が改善されていくとされ、この症状が落ち着いた状態を寛解(かんかい)と呼んでいます。
寛解とは症状が落ち着いている状態のことを指して使う言葉で、完治とは異なり何かのきっかけで再度症状が表れることもあります。

また、対症療法としてむくみが激しい場合には利尿薬を使用して尿の量を増やすことで、水分量の調整を行うこともあります。そのほかにも、血液量の循環が少ない場合にはアルブミン製剤という血液製剤を使用することがあるなど、症状に合わせてさまざまな治療法を行います。

小児特発性ネフローゼ症候群は再発が多い疾患として知られており、約70~80%の方が一度寛解しても再び症状が表れることがあります。また、30~40%の方は再発を繰り返す頻回再発型とも言われています。さらに、約20~50%の方は、成人後も引き続き治療を継続していくと言われています。

頻回に再発を繰り返す場合、再発を防止するためには免疫抑制薬が使われることが多く、それでも再発がある場合にはリンパ球に対する抗体である生物学的製剤を用いた治療などが行われることがあります。

なお、ステロイドが効きづらいステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の場合にも、ステロイドだけでなく免疫抑制薬も組み合わせたさまざまな治療を行います。
ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の方は、以前は人工透析や腎移植を行う方も多くいましたが、現在では治療方法の進歩などで症状の改善が見込まれるようになりました。

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