子育て情報『小児特発性ネフローゼ症候群とは?治る?症状や原因、日常での注意点【医師QA】』

2023年10月28日 12:15

小児特発性ネフローゼ症候群とは?治る?症状や原因、日常での注意点【医師QA】

しかし、治療による効果が薄く、末期腎不全に陥る可能性もあります。

いずれにしても、小児特発性ネフローゼ症候群は長い期間の治療と経過観察が必要な疾患であり、ステロイドや免疫抑制薬を用いた治療を2年以上継続しなくてはならない方も少なくありません。


日常生活でどんなことに気をつける?医師QA

小児特発性ネフローゼ症候群の再発を防止するためにも、日常生活で制限や気をつけたほうがいいことがあります。ここでは、よく聞かれるポイントを小児科医の室伏佑香先生に解説していただきます。

(質問)
小児特発性ネフローゼ症候群では、食事に制限などありますか?

(回答)
寛解時には食事制限をする必要はありません。ただ、ステロイドを引き続き服用している場合は副作用として食欲の増進や体重の増加が考えられるため、カロリーの過剰摂取にならないように気をつける必要があり、確認のために定期的に体重測定を行います。

たんぱく尿が出ている再発時にはむくみの悪化防止として、食事の塩分を控えめにする必要があります。たんぱく質の制限は基本的に行われません。


ステロイドだけでなく、シクロスポリンやタクロリムスなどの特定の免疫抑制薬を服用している場合は、血中濃度に影響するためグレープフルーツ類など一部の柑橘類の摂取を避ける必要があります。

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(質問)
運動に制限などはありますか?

(回答)
小児特発性ネフローゼ症候群では運動を制限する必要は基本的にありません。運動会などの学校行事への参加も可能です。

ただし、再発時にむくみが強く現れているときには運動を控えるように医師から告げられることがあります。ほかにも、長期間ステロイドを使用している場合は骨がもろくなる可能性があり、骨密度の低下が強い場合には身体をぶつけ合うラグビーなどの激しいスポーツは制限されることもあります。


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(質問)
どんな症状が見られたら、病院を受診すべきでしょうか?

(回答)
身体にむくみが生じる、尿量が減少する、体重が急に増加するといった症状が見られたときは、病院で小児科を受診するようにしましょう。

小児特発性ネフローゼ症候群は再発を繰り返すことが多い疾患です。しかし、早めに受診し、見つけることができれば、感染症などの合併症が生じる前に治療を開始することができ、お子さんの負担も少なくなります。

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