発達特性のある息子、大学進学で「合理的配慮」は受けられる?就活まで役立った自作の"特性説明台本"を紹介
大学では、わが家が希望した以上の手厚い支援を行ってくれました。学内では、チームをつくって対応していただきました。
①事前に講義レジメをメールでいただき、受講前に目を通して講義に備えた
②同じクラスの社会人学生(親子ほど年齢が違う方)がサポート担当に
③毎週1回、担任教授が学生たちに呼びかけてサポートチームを用意。教授とチームの学生たちとで、さりげなく一緒にランチをとってくれて、本人の困りに寄り添ってくれた
④講義中やテスト中は耳栓の使用を許可された
⑤試験は10分延長かつ別室で対応
⑥担当教授の気づきがあれば、その都度、保護者とメールで報告
また家庭ではプロライターである夫ラクマが、提出するレポートをチェックし、書き方のアドバイスを行いました。
学内や実習先で本人の特性説明を発表した際につくった原稿を一部紹介
私たちは、ウッシーヤが大学や研修先に最初に行く時、自分の特性を説明できるように、あらかじめ原稿を用意していました。原稿の内容を一部ご紹介します。
「僕は発達障害という目に見えない個性を持っています。性格とよく間違われるんですが、心ではなく脳のつくりがスペシャルなのです。
大きな特徴は次の3つです。
①体質的に感覚が過敏です。
②好きなことしかできない気質です。
③考えや感じ方がかなりユニークです。
・絵
・写真
・文字
・実演
で伝えてくれると、とても助かります。『こんなことまで説明しないといけないの』と思うぐらい具体的に細かく説明してもらえるとうれしいです。
●自由回答の質問は、ときどき頭のなかで迷子になるので、その時は選択肢を準備してもらえると助かります。例えば、『この質問はYesかNoで答えるんだよ』とか『この質問は、この範囲のなかから答えるんだよ』と言ってもらえるとナビのように目的に焦点を合わせることができて、とんでもなく見当違いな答え方をし、皆さんを迷わせなくてすみますので助かります。
●急な予定変更も頭のなかで迷子になるので、事前に予告してもらえると助かります。不思議に思われるでしょうが、好きなことは平気な場合があります。
●何か迷惑や間違ったことをした場合、『ダメ!』だけでなく、してほしいことを『こういうときは、こうするんだよ』と具体的に単純明快に言ってもらえると助かります。例えば『この場合のお辞儀は、頭を3秒下げるんだよ』とか具体的に教えてください。