癇癪を起こし泣き止まない1歳息子…愛情不足?育て方が悪い?自信をなくしていたあの頃
育児業界で学んだ知識や情報と現実の息子に翻弄される日々……
私が働き始めた会社は育児関係の事業を行っており、ベビーマッサージのインストラクターを養成する講座を開催していました。ベビーマッサージが赤ちゃんとお母さんのアタッチメント(愛着関係)を育むのにも良いツールだということを発達心理学の考えを使いながら伝えていました。
入社当初、育児関係の会社なら自分の育児や生活にも何か役立つ情報が得られるのでは?という期待もありました。案の定、スタッフとしてテキストの製作過程で内容を読み込むうちに、発達心理学をはじめとした心理学や子どもの発達については結構詳しくなり、自分でも本を買い漁って勉強するほどになりました。
ただ、当時の私が独学で得た知識の中で気になったのは、発達障害ではなく愛着障害(※)という言葉でした。当時はまだ、コチ丸は「手がかかる子」という感覚でしかなかった私は、コチ丸の困り事と発達障害とが全く結びついていませんでした。育児にも自信がなかった上に、一度癇癪を起こすと何をしても泣き止まず手に負えないコチ丸につい怒鳴って叱ってしまったり……。もしコチ丸が愛着障害だとしたら、思い当たる節が多すぎて(汗)、ますます「私の育て方が悪いのかも」という考え方が強くなりました。
※ICD-10では小児期の反応性愛着障害、DSM-5TRでは反応性アタッチメント症とされており、乳幼児期に長期にわたって虐待を受けたり、両親の死やその他の要因で養育者と安定した関係が結べなかったりして、保護者との愛着関係を結ぶことができなくなることで引き起こされるとされています。
https://doi.org/10.20615/jscap.59.3_260
参考:友田 明美著「アタッチメント(愛着)障害と脳科学」『児童青年精神医学とその近接領域』59 巻 (2018) 3号 p.260-265
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1歳半健診では別室に呼び出され、思わぬ大事に
そんな中、1歳半健診がありました。コチ丸は保健師さんと目を合わせず、声かけにも反応せずでした。それまでもなんとなく「あれ?聞こえてないのかな?」と不思議に思うことがたまにあり、その日は別室に呼ばれて生活で困ったことはないかなど聞かれた末、念のためにと総合病院で聴力の検査をすることになりました。コチ丸を眠らせて検査する予定でしたが、途中で目を覚ましてしまったため、しっかり検査することはできませんでした。