「読み書き」の難しさで学習に苦戦。心理的な負担から登校渋りにつながることも?【公認心理師が手立てを解説】
「読み書き」の苦手さは、学校生活にどう影響する?公認心理師がサポートについて解説!
発達障害のあるお子さんは、「読むこと」や「書くこと」に強い困難を抱えていることがあります。その困難さによって学習に対する拒否感を持ったり、登校を渋ったりすることもあるようです。
今回は、発達障害のあるお子さんのサポートを数多く行っている公認心理師の菅佐原洋先生に、実際のケースも交えてお話をお伺いしました。
ーー菅佐原先生はこれまで多くのご家庭の「読み書き」の悩みをサポートされてこられたと思います。どのようなお困りを抱えたご家庭がありましたか?
菅佐原:「読み書き」と聞くと、いわゆる“国語の勉強”のイメージがあるかもしれません。しかし、例えば算数にも文章題があり、「計算はできるけど、問題文を理解できない」ということもあります。また、「書いてある字が読めないからと、理科の観察日記を書いてもやり直しをさせられる」といったケースもありました。
このように、国語の授業に限られた機会だけではなく、学校生活には読み書きが求められる場面が非常に多くあります。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10230004140
また、学習の困難だけではありません。読み書きの困難さから、文章に触れる機会がどうしても減ってしまい、結果として語彙力(知っている言葉がどのくらいあるか)が伸びにくく、「相手に説明する・うまく伝える」「相手の説明を理解する」といったコミュニケーション面に影響が出ることもあります。
こうした読み書きの困難さから「勉強全般がよく分からない」「学校に行きたくない」と二次的に影響が広がっていくこともあります。
ーー読み書きが苦手なことで、コミュニケーションや登校渋りなどの二次障害が生じることもあるんですね。
菅佐原:はい。学校は勉強している時間がやはり長いんですよね。その時に、「教科書を読んでもよく分からない、みんなはスラスラ読めているのに……」と感じることは、とてもつらいものだと思います。
読み書きが苦手なお子さんのなかには、全般的な知的発達の遅れがある場合のほか、読み書きに特化して困難さが生じているケースもあります。特に後者の場合、「周りの子はできるのになぜ自分だけ……」と周囲と比較して、より悩みも深くなったり、ほかのことはできる分、「頑張ってないだけだ」