子育て情報『中学生にかけて増える?子どものうつ病、症状や処方薬など【医師監修】』

中学生にかけて増える?子どものうつ病、症状や処方薬など【医師監修】

再考|児童青年精神医学とその近接領域57巻 (2016) 3号p.415-424

子どものうつ病の治療では、必要に応じて薬が処方されることもあります。現在のところ、子どものうつ病において処方される薬はSSRIが一般的です。SSRIは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」といい、脳内のセロトニンに働きかけ、うつ病の症状を改善させる薬です。

SSRIには複数の種類がありますが、海外で小児への有効性が認められているSSRIは、日本国内では使用されていません。現在国内で使用されているSSRIの中には、副作用の可能性が指摘されているものもあります。SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)や三環系・四環系といったほかの抗うつ薬についても、子どもへの使用は有効性や安全性が確認されていないというのが現状です。

そのため、子どもに抗うつ薬を使用する場合には、その効果と副作用を天秤にかけて、十分に検討する必要があります。医師と本人、保護者の間でどのようなリスクがあるかについての共通認識を持つことや、慎重な経過観察が求められています。


副作用として
・けいれん
・めまい
・眠気
・発熱
・吐き気
・動悸
・自殺関連行動など
が見られることがあります。

保護者の方は服用後に心身に変化がないか見守るようにしましょう。

https://doi.org/10.20615/jscap.58.1_146
宇佐美 政英著「薬物療法に関する検討委員会セミナー:児童青年期精神科における薬物療法の実際2─抗うつ薬編─」児童青年精神医学とその近接領域/58 巻 (2017) 1号p. 146-156


子どもがうつ病になったら、家族が気をつけることは?接し方や相談先など

子どもがうつ病かもしれないと思ったときは、話を聞くことが大事です。子ども自身も心の変化に不安や戸惑いを感じていると思いますので、いきなり受診をすすめたりせずに、まずはその不安な気持ちに寄り添うことが大切です。

うつ病と診断されたあとも急に接し方を変えずに、いつでも話を聞く姿勢でいるといいでしょう。また、うつ病の回復には心身の療養も大切な要素です。無理して学校に行ったり、習い事をしていたりする場合は、いったん休むなど療養がしやすい環境をつくっていきましょう。

なかなか回復しないと本人も家族も焦ると思いますが、うつ病は回復に時間がかかると共に再発率も高い病気なので、じっくりと向き合っていくという心構えが大切です。

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