発達障害のある子の大学受験。共通テストの合理的配慮申請に感じる高いハードル
9月下旬〜10月上旬に共通テストの出願、配慮事項の再確認等の手続き(場合によっては、「問い合わせ大学」と打ち合わせ)を踏まえて、1月に共通テストの受験。それから各大学の一般入試等の出願と受験……というのが大まかなスケジュールです。
これらは、発達障害のある子にとって、かなり困難なことなのではないでしょうか。
実際、昨年度(令和6年)では、配慮ありで共通テストを受けた発達障害のある子は、志願者全体の僅か0.1%でした(令和6年度発達障害区分での受験上の配慮決定者数:507人/共通テストの志願者数:491,914人。大学入試センターHPの公開データを元に筆者算出)。
では、どれほど、この3つの申請書類を揃えるのが現実的には難しいことなのか、具体的に詳しくお伝えします。
https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=654&f=abm00004528.pdf&n=%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%96%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%A5%E5%AD%A6%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88_%E5%8F%97%E9%A8%93%E4%B8%8A%E3%81%AE%E9%85%8D%E6%85%AE%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E8%80%85%E6%95%B0.pdf
独立行政法人 大学入試センター|令和6年度大学入学共通テスト受験上の配慮決定者数
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/suii/suii.html
独立行政法人 大学入試センター|共通テスト 志願者数・受験者数等の推移
まず、「診断書」について。
共通テストの場合、申請には"所定の形式の"医師の診断書が必要です。
もちろん、対応する側にも限度があるでしょうし、公的な試験ですから、医学的に客観的な根拠資料を求められるのはやむを得ない部分もあると思います(ただし、法律上、合理的配慮の提供に医師の診断書等は必須ではありません)。
ですが、例えば、以下のようなケースでは、受験生が診断書を準備できない、または、申請に間に合わない場合があります。
<医療機関の受診に、保護者の理解が得られない>
「医師の診断書が必要」となれば、当然、医療機関を受診する必要があります。