子育て情報『起立性調節障害の処方薬は?漢方は効果がある?副作用なども/医師監修』

起立性調節障害の処方薬は?漢方は効果がある?副作用なども/医師監修

一般的に、測定は数分間続けて行います。血圧の低下が認められた場合は、起立直後性低血圧(INOH)と呼ばれる状態で、起立性調節障害の一つの症状です。心拍数が異常に上昇する場合も、起立性調節障害の特徴で、体位性頻脈症候群(POTS)タイプと診断されます。

起立性調節障害の治療は症状の重症度によっても変わってきます。軽症の場合は、自身でできる取り組みから始めていくことが多いです。内容としては、以下のようなことが挙げられます。

・起床時にはいきなり立ち上がらずに30秒ほどかけてゆっくり起立する
・早寝早起きなど生活リズムを規則正しくする(怠くても日中は体を横にはしない、など)
・水分を多めにとる(1日1.5L~2L目安)
・塩分を多めにとる(1日10~12グラム目安)
・毎日運動をする(15分程度の散歩から始めると良い)
・加圧ソックスや腹部バンドを着用する(血圧低下を予防) など

以上のような取り組みに加えて、薬を使った治療が行われることがあります。起立性調節障害に処方される薬は症状によって変わってきますので、次に紹介します。


起立性調節障害の治療では、血圧を上昇させるために以下の薬が処方されることがあります。

・ミドドリン塩酸塩(メトリジン錠、メトリジンD錠)
・メチル硫酸アメジニウム(リズミック)

起立性調節障害は朝に血圧が上がらないことで、さまざまな症状が表れるため、このような血圧を上昇させる薬が効果的と言われています。

また、起立性調節障害に不安障害や抑うつ状態が伴う場合には、SSRI(向精神薬)が処方されることもあります。昼夜逆転など睡眠リズムが整わない時には、自然な睡眠サイクルを調整する役割を持っているメラトニン受容体作動薬を使用することもあります。

起立性調節障害へは起立時のめまいなどに効果があるとして、以下のような漢方薬が処方されることもあります。

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう): 立ちくらみやめまい、頭痛など
・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):胃弱、頭痛、ふらつき、めまいなど
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲労倦怠など
・小建中湯(しょうけんちゅうとう):腹痛、疲労倦怠など
・真武湯(しんぶとう):冷え性、胃腸虚弱、神経衰弱など

起立性調節障害への漢方薬の使用はエビデンスが少ないのが現状ですが、この中でも苓桂朮甘湯は4~8週間使用することで起床時のめまいなどが改善されたという報告があります。

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