子育て情報『起立性調節障害の処方薬は?漢方は効果がある?副作用なども/医師監修』

起立性調節障害の処方薬は?漢方は効果がある?副作用なども/医師監修

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/73/4/73_375/_article/-char/ja/
参考:平澤 一浩, 大塚 康司, 塚原 清彰 著「複数の臨床的指標を用いて苓桂朮甘湯の有効性を確認できた起立性調節障害の2例」日本東洋医学雑誌 73巻(2022年)4号 p. 375-381


薬を飲んでも起立性調節障害がなかなか治らない…どうしたらいい?

起立性調節障害の治療をしていても、なかなか改善しないと悩んでいる方もいると思います。一般的に起立性調節障害の治療は長くかかると言われています。

軽症の場合は日常生活に影響が少なくなるまで数ヶ月、中程度の症状の場合は1年後の回復が約50%、2~3年後の回復が約70~80%程度です。重症の場合は、さらに期間が長くなることが考えられます。そのため、長い目で見て治療を進めていくという姿勢が大事になってきます。

また、服薬だけで改善するわけではないため、合わせて生活の中でできる取り組みをしていくことも大切です。

心理・社会的要因として、学習不振などが関係していることもあり、起立性調節障害だと思ったら、実は学習障害もあったなど、発達障害と診断されることもあります。生活習慣の改善に取り組んでも、なかなか症状が改善しない場合には、心理社会的要因へのアプローチも主治医と相談することが大切になります。


まずは家族など周りの人が起立性調節障害のことを理解することが大事です。起立性調節障害があると、朝起きられずに学校に遅刻したり欠席したりするのに、午後からは回復してくる場合もあることから、「怠けているのでは」「学校をさぼりたいだけなのでは」と思われることがあります。しかし、起立性調節障害は身体的な疾患であり、気持ちや根性では改善しません。

「早く起きなさい」などとってもよい結果にはなりません。まずは、この状態は起立性調節障害の症状で、本人もつらい思いをしているということを理解して、病院の受診を促すとともに、家庭でもできる改善のためのサポートをしていきましょう。起立性調節障害は生活リズムを整えることが大事です。そのために家庭でできる工夫としては以下のようなものがあります。

・起こし方を本人と家族で相談しておく
・昼間横にならないように声掛けをする
・就寝時刻の30分前にベッドに入るように決めておき、時間になったら消灯する
・夜9時以降のテレビ・ゲーム・スマートフォンの使用は控える
・カーテンを開けて朝日を部屋に入れる
・起床後シャワーを浴びる など

すぐに早寝早起きをすることが難しい場合には、まずは無理なく起きられる時間から始め、徐々に起きる時間を早めていくなど工夫をしながら進めていくといいでしょう。

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