起立性調節障害の処方薬は?漢方は効果がある?副作用なども/医師監修
また、現在ではスマートフォンで「夜9時以降に特定のアプリは使用できないようにする」など設定が可能です。ほかにも、時間になったら自動で照明を消す装置やカーテンを開ける装置も販売されています。このようなツールを活用することで、本人も家族も負担が少なく進めることができるでしょう。
起立性調節障害により学校に行くことが難しい場合は、学校と連携することも重要です。
必要に応じて病院で診断書を出してもらい、学校の担任やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどと相談しながら、学校に通いやすいように配慮事項を決めていくといいでしょう。
具体的な配慮としては、午後からの短時間登校、保育室などへの別室登校を認めてもらう、楽な姿勢で勉強できる環境を整えてもらうなどがあり、段階的に学校へ通えるようにしていくことがあります。
午後からの登校は起立性調節障害の症状への配慮だけでなく、電車通学の場合はラッシュアワーなど負担となる状況を避ける意味合いもあります。
周りの生徒の反応が不安な場合は、先生から遅刻の理由や起立性調節障害について周知してもらうという配慮もあります。
ただ、知られることが負担という子どももいるため、家庭と学校でよく話し合って決めていくとよいでしょう。
いずれにしても、本人や保護者だけが問題を抱え込むことがないように、家庭と学校がお互いに相談しあえる関係をつくっていくことが大事です。
起立性調節障害への治療では、心理療法が行われることもあります。心理療法は臨床心理士などと話すことで、問題を整理したりストレスを軽減させたりする治療法です。カウンセリングとも呼ばれます。例えば学校を長期間欠席することや、ほかの生徒と違う通い方をしていることなどに不安や気分の落ち込みがある場合に、心理療法で精神的な問題を解消させていきます。
不安が強く心理療法を希望する場合は、主治医に相談してみるといいでしょう。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-088.html
参考:カウンセリング / 心理療法|厚生労働省 e-ヘルスネット
まとめ
起立性調節障害は10~16歳の思春期に多く、自律神経が乱れることでさまざまな症状が表れる疾患です。
症状は朝起きられない、めまい、頭痛などがあり、不登校の子どものうち3~4割は起立性調節障害があるとも言われています。