子育て情報『ADHD息子、高校受験まで半年。「薬を増やしたい」と相談されて…【思春期の服薬・医師からのコメントも】』

ADHD息子、高校受験まで半年。「薬を増やしたい」と相談されて…【思春期の服薬・医師からのコメントも】

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執筆/丸山さとこ

(監修:室伏先生より)
さとこさん、受験生になられたコウくんのご様子や成長の過程を詳しく共有くださり、ありがとうございました。コウくんは、ご自身の特性や状況をよく理解し、向き合われているのですね。

ADHD(注意欠如多動症)のお薬について、内服を悩まれている親御さんも少なくないことと思います。内服薬での治療は、根本的な治療ではなく、あくまでも対症療法です。つまり、内服している期間に困っている症状を抑える効果はありますが、ADHD(注意欠如多動症)の症状を根本的に治すというものではなく、何らかの理由でお薬の内服を中止した場合にはまた症状が目立ってくる可能性があります。もちろん、内服期間中の成長や、環境調整・生活の工夫などにより、内服前に困っていた症状が内服中止後目立たなくなることもあります。対症療法と聞くと、幼少期に開始した薬を、生涯にわたり内服をしなければならないのかと不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、成長に従って、またご本人のおかれている環境の変化から、内服が必要な状況ではなくなり、中止される方もたくさんいます。


内服のメリットは、症状が一部緩和され、ご本人や周囲の困難や、生活の負担が軽減するということがありますが、ニ次障害を防ぐということも重要なメリットの一つです。ADHD(注意欠如多動症)の方は、叱責を受けやすい、勉強に集中ができなくて成績が上がらない、友達関係がうまくいかない、などの失敗体験が積み重なって、「自分はだめなんだ」と自己肯定感が低下してしまうことがあります。このようなつらい気持ちが続くと、抑うつ、不安障害、暴力暴言、引きこもりなどに繋がってしまうことがあります。これを二次障害と呼びます。思春期は、周りからの評価が気になったり、自分自身を見つめ直したり、人間関係における悩みも強くなる時期ですので、生活上のお困りだけでなく、気持ちの面にも配慮して投薬を検討できるとよいと思います。

デメリットの一つに、副作用があります。副作用は薬剤によっても違いますが、コンサータでは不眠や食欲低下、体重減少、ストラテラでは嘔気、頭痛、眠気、食欲減少、インチュニブでは、眠気、頭痛、立ちくらみなどをよくお伺いします。思春期は生活の変化に伴って睡眠リズムが崩れがちになったり、起立時の血圧変動による立ちくらみが増える時期です。

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