子育て情報『教育の「ICT化」とは? 知っておきたい教育界の最前線』

教育の「ICT化」とは? 知っておきたい教育界の最前線

直感的な操作で画面を拡大でき、画面に直接書いて勉強できることは、タブレット学習の大きな利点ですね。

発達障害がある子の学習支援にも、ICTの導入は効果的です。文部科学省の調査によると、アスペルガー症候群・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)などを含む発達障害を抱え、通常学級において教育支援を必要としている子は各学級に少なくとも2~3人いると推定されるそう。ICTを利用すれば、彼らの困難さを取り除きやすくなるのです。

たとえば、授業中に集中しづらい子がいる場合、大型ディスプレイを用いるとよいそう。子どもたちの視線が自然と前のほうに向かうほか、それぞれの表情が教員からよく見えるようになるので、集中していない子どもに教員が気づきやすくなるそうです。

また、集中が困難だったり聴覚過敏だったりして、教員の指示を聞きもらしがちな子もいます。そのような場合には、タブレットやICレコーダーで教員の話を録音することにより、重要な連絡事項をあとから確認できます。
また、ノイズキャンセリングヘッドフォンを装着すれば、人間の声以外の雑音を軽減することが可能なので、空調設備や自動車の音などに煩わされにくくなるのです。さらに、病気や障害などの理由により学校に通えない子が、ICTを利用して自宅や病院から遠隔授業を受けることもできます。公益財団法人・日本財団で行われている「難病の子どもと家族を支えるプログラム」は、2017年から鳥取県で遠隔教育事業を行っています。カメラ・マイク・スピーカーを搭載した、高さ21.5cmのロボット「OriHime」を利用することで、実際に教室にいるように授業を受けられるのだそう。タブレットなどに専用アプリケーションをインストールすると、カメラを通して現場の風景を見たり、「OriHime」を自分の分身のように動かしたりすることができます。2018年4月時点で、鳥取県の養護学校および院内学級で3台の「OriHime」が稼働しているそう。


重度の心臓病を持つ小学生のAさんは、感染予防や体調を考慮して先生が自宅に訪問して授業をする訪問学習を受けています。(中略)OriHimeが来たことで、これまで先生のお話でしか聞けなかった学校行事や大人数での授業など、OriHimeのおかげで、「見る」「参加する」「経験する」ことができるようになりました。
(中略)また、治療により入院前と違う自分の姿を見られることに抵抗を持つ子どもも多い中、OriHimeが分身になってくれるおかげで、自分の姿を相手に見られることなく友だちと勉強ができることは、子どもにとって大きな安心につながるという効果もあることがわかりました。

(太字による強調は編集部で施した)

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