教育の「ICT化」とは? 知っておきたい教育界の最前線
(引用元:日本財団|分身ロボットで、学校へ通えない子ども達に学習の機会を!鳥取県での実践)
このような遠隔授業が一般的になれば、事情により学校に通えない子どもたちの大きな助けになりますね。文部科学省は2018年11月、今後の政策の柱のひとつとして「遠隔教育の推進による先進的な教育の実現」を掲げました。病気療養しているなど「特別な配慮」を必要としている子どもや、人口の特に少ない地域に住む子どもたちにも質の高い教育を届けるためです。教育分野において本格的にICTが活用されれば、都会の子も地方の子も、高度な学習をしたい子も学習の苦手を補いたい子も、それぞれが恩恵を受けられそうです。
教育のICT化を支援する企業
これまで述べたような「教育のICT化」は、先生の個人的な努力や政府の意向だけで成し遂げられるものではありません。教育の現場で使えるデバイスやソフトウェアを開発したり、システムを提供したりする民間企業あってのもの。企業が教育現場向けに打ち出しているICT関連の製品やサービスは「文教ソリューション」と総称されています。
たとえば富士通株式会社は、児童生徒向けのタブレットを開発しています。
そのひとつ「ARROWS Tab Q506/ME」には、以下をはじめとした特徴があります。
-机から落ちにくい設計。
-落としても衝撃が伝わりにくい。
-家庭科室や屋外でも使いやすい防水・防塵。
-鉛筆のように書けるペン入力。
-薄暗い体育館でも撮影時にブレにくいカメラ。
教育のICT化に意欲的な岐阜県岐阜市では2016年度、このタブレットが全ての市立小中学校に配備されました。児童生徒3.4人に1台の割合だそうです。
タブレットを授業で使いはじめたところ、以下のような効果があったのだとか。
-言葉での説明では難しいことを、デジタル資料で視覚的に示せる。
-大量のプリントをコピーするなど教員側の負担が減った。
富士通は文教ソリューションとして、子どもの個別学習をサポートする「手書き電子ドリル」も提供。国語・算数・英語など各教科の問題をタブレットに書き込んで解答すると、自動で採点されます。漢字のテストでは書き順をチェックしたり、計算問題ではかかった時間を計測して前回と比較したりできるのが、紙のドリルにはない大きな特徴。前回間違えた問題のみを表示したり、全問正解すると「合格」