子育て情報『「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」』

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」

そして、それに応じて環境が変化する。それを受けて、また子どもの行動が起きる。つまり、遊びとは行為の連鎖として起こるものです。

ところが、親御さんは「外遊びが子どもの情操にいい」などと考えて、いい子に育てるために、子どもの意志とは関係なく外遊びをさせようとする。それでは、単なる作業、あるいは課題ではありませんか。そんなものが面白いわけがない。子どもにどんな遊びをさせるのがいいか——そんな発想をまずやめましょう。

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」


外遊びが「知能の原型」をつくる

もちろん、結果として、外遊びは子どもの成長に大いに影響を与えます。
大きくは4つ。まずは「感覚運動的な知能を使う」こと。これは知的発達段階のいちばん最初のレベルにあたります。イメージや言葉を使わず感覚で外界を受け取って、それに対して運動的に働きかける。これが知能の原型です。これに体験が積み重なることで、やがて、実物がそこになくとも頭のなかでイメージできるようになっていく。

そうすると、今度はファンタジーの力を身につけることになる。空想であるとか、絵本の世界を楽しめるようになるのです。
リアルの世界に対して自分の体を使って反応する体験が豊かであればあるほど、イメージしたり、ファンタジーを楽しんだり、あるいは目標や夢、理想というものを決めるにも、よりリアリティーを持ってできるようになるのです。

それから、2番目には「自律性を育てる」こと。公園の遊具は別ですが、自然というものは子どもが遊びやすいようにできていないですよね。木は子どもの都合を考えて枝を伸ばしているわけではありません。当然、木登りをするにも工夫をしないとならない。頭を使って、試行錯誤し、トライアル・アンド・エラーを重ねることとなる。

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」


遊びという場面において試行錯誤できるということ、つまり、やってもやらなくてもいいし、やるにしてもどのようにやってもいいということは、自己決定の要素、自分の意志を活用する場面がすごく多いということです。自分の意志を活用するというのは、人が生き生きとするためのひとつの大きな源泉です。
そういうふうにして自分の意志でその遊びに関わったから、木のいちばん上まで登れた子どもは誇らしく感じる。これが3つ目で「有能感を育てる」こと。そして、子どもはその誇らしさを誰かに伝えたい。「ママ!上まで登れたよ!」と言って、ママが「すごいわね」と反応してくれたら、他者との「関係性が養われる」

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