「書き出し上手」は「作文上手」! 作文を魅力的にする“書き出しのパターン”12選
「えー、ぼくはきらいだ」
「じゃあ、なんのくだものが好き?」
「うーん、トマト!」
そこで、みんなが大わらいした。
文章の「書き出し」には、さまざまなパターンがあります。親子でそれぞれ気に入ったパターンを発表したり、平凡な「書き出し」と何が違うのか、一緒に話し合ったりしてもいいでしょう。あるいは、紹介したパターン以外に、どういう「書き出し」がおもしろそうか、出し合ってみるのもいいですね。
もちろん、はじめはマネから入ってOKです。好きなパターンを利用して、子どもに「書き出し」を書かせてみましょう。くれぐれも「マネしないで、自分で考えなさい!」などと野暮なことは言わないように。作文に限りませんが、マネから入ることは技術習得のセオリーです。
大いにマネさせましょう。
「書き出し」を制する者は「作文」を制す?
「書き出し」は読む人の興味を引くだけでなく、書き手自身にも大きな影響を及ぼすものです。「きのう、えんそくに行きました」よりも「ジャッポーン! 気がついたときには、わたしは池におちていました」でスタートする文章のほうが、作文を書く子ども自身も楽しいはずです。頭に映像が浮かぶため、続きのエピソードが書きやすくなります。
説明的な文章からスタートすると、そのあとも説明的な文章になりがちです。一方で、イメージが浮かぶ場面からスタートすると、そのあとの文章もドラマチックになりやすくなります。気がつけば、オンリー・ワンな作文に仕上がっていることも珍しくありません。
先ほどご紹介した12個のパターンも、読んだ瞬間にイメージが浮かびやすいものを優先して選びました。
10歳未満の子どもにとって大切なのは、「説明力」よりも「体験の描写力」です。自身の体験を引き合いに、自分の感性や考えを自由に表現することができるようになると、その子の作文能力は、どんどん伸びていくでしょう。
「書き出し」は単に「作文の冒頭」ではありません。作文全体のトーンやその後の展開を左右する重要なパーツです。古今東西、名のある作家たちも、そのほとんどが「書き出し」の名手です。「『書き出し上手』は『作文上手』」といっても過言ではないのです。
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