子どもの心を豊かに育むスキンシップ。皮膚は「露出した脳」だった――
と感じている人もいますよね。そのようなタイプの人は、無理に触ろうとすればするほど体がこわばって、不自然な触れ方になってしまいます。そこで、親子で体を使った遊びを取り入れてみましょう。こちょこちょくすぐり合う、抱き上げて飛行機ごっこなど、自然なかたちでスキンシップがとれる遊びがおすすめです。
保育の現場でも、子どもの情緒を安定させる目的として、手遊び歌やわらべ歌、触れ合い遊びを推奨しています。以下は『保育ハンドブック』(大修館書店)で紹介されている例です。
- 一本橋
- でこやまでこちゃん
- えんやら桃の木
- ちぎりばっちり
- いちりにり
- ラララぞうきん
- おすわりやす
- ちょちちょちあわわ
YouTubeなどの動画サイトでも、プロの保育士による子どもが喜ぶ手遊び歌がたくさん紹介されているので、親子で楽しめる触れ合い遊びを見つけてみてくださいね。
スキンシップの効用をもっと詳しく知りたい人におすすめの本
肌と心の関係の奥深さについて、知れば知るほど興味がわいてきた人も多いのではないでしょうか?そんな方にぜひおすすめしたいのが、次に紹介する4冊です。
◆『触れることの科学:なぜ感じるのか どう感じるのか』
ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授で神経科学者の著者による、触れることと感じることの関係性を科学的に解き明かす衝撃の一冊。少し専門的な内容ですが、より深く、詳しく知りたいという人にはぴったりです。
◆『幸せになる脳はだっこで育つ。-強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法-』
前出の山口創先生による、育児に悩む保護者の方に向けた「スキンシップ育児のコツ」が満載の本著。0歳から思春期まで幅広い年代に対応しているので、子どもの成長にずっと寄り添ってくれる一冊です。
◆『皮膚感覚の不思議ー「皮膚」と「心」の身体心理学』
普段あまり意識することがない「皮膚の不思議」について詳しく解説している一冊。ツボ押しの「痛気持ちいい」感覚や、どうしても我慢できない「かゆみ」の正体、触られる相手によって正反対の感情が湧き上がる謎など、皮膚と心の密接な関係が解き明かされます。
◆『第三の脳ーー皮膚から考える命、こころ、世界』
著者は資生堂ライフサイエンス研究センター主任研究員であり、皮膚研究のスペシャリスト。
「皮膚は脳にも匹敵する、いまだ知られざる思考回路」というように、皮膚の潜在的可能性についてたっぷり語られています。