ギフテッド教育とは? 「優秀な子ども」と「ギフテッド」の特徴の違い8つ
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また、自身の子どもがアメリカのギフテッド教育を受けた経験をもつ、ワシントン州立大学人間発達学科専任教授のポーター倫子氏は、「優秀な子ども」と「ギフテッド学習者」の特徴の違いについて以下のように説明しています。
※ポーター氏の図を参考に編集部が作成
上記の特徴を見て、「うちの子、ギフテッドかも?」と感じた親御さんもいるかもしれません。『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら』訳者で、ギフテッド児の専門家でもある上越教育大学助教授・角谷詩織氏によると、ギフテッドは “想像以上に多く身近にいる” そうです。
角谷氏は「子どもの上位3~10%がギフテッド児」としています。たとえば、10%なら30人クラスに3人の割合、3%だとしても、クラスに1人はギフテッドがいるのです。ちなみに、世界ギフテッド&タレンティッド・チルドレン協議会日本代表の酒井由紀子氏によると、日本には約90万人のギフテッドがいるとのこと。しかしすべてのギフテッドがギフテッド教育を受けられているかというとそうではありません。
2. IQ130以上なら、ギフテッド教育を受けられる?
ギフテッド教育を受けられるのは「ギフテッドである」と認められた子どものみで、その判定には「集団式学力検査・集団式能力検査の得点」「教師推薦・教師によるチェックリスト結果」などが用いられます。最も一般的な検査は、「総合的なIQ」と「言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度の4項目」を測定することができるWISC-IV(ウェクスラー式知能検査)で、ギフテッドの判定基準はIQ130以上が目安となるようです。
しかし、角谷氏をはじめとしたギフテッド教育の専門家は、「知的好奇心、クリエイティビティ、モチベーションなど、ギフテッドの幅広い判定基準はIQテストだけでは測れない」と主張しています。たとえば、「算数は天才的だけど、国語は苦手」「絵がとても上手だけど、人とうまく付き合えない」など、IQテストだけでは判断しづらいギフテッドが多いのです。
『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら』によると、ギフテッド教育を受けられずに育ったギフテッドは、伸ばすべき能力を伸ばせないまま大人になってしまうのだそう。並外れた習得力をもっているにもかかわらず、学校での退屈な授業を受け続けていると、ギフテッドの学習意欲はどんどん下がり、「学校では好奇心を満たせない」