ギフテッド教育とは? 「優秀な子ども」と「ギフテッド」の特徴の違い8つ
「こんなにいい環境があるんだ。どんどんチャレンジが出てくるような教育システムがあるんだ。とても充実した毎日を過ごせていると実感します」と、檜垣さんが話しているように、欧米におけるギフテッド教育は日本よりも一歩も二歩も進んでいるのです。
4. 早期教育とギフテッド教育はまったくの別物
ギフテッドの子どもは優れた能力をもちながらも、その才能ゆえにまわりから理解してもらえず、 “扱いにくい子ども” ととらえられてしまいがち。
NHKが2019年に行なったギフテッドへのアンケート(対象:6歳~60代の122名)では、なんと9割の人が、「学校生活に違和感があった」「生きづらさを感じたことがある」と答えています。彼らの具体的な悩みは次のようなものです。
◆一年生の頃のテストで、掛け算を使ったら”習っていないから”と言う理由でバツにされた。答えはあっているのに、一つのやり方しか許してくれないことに不満はあった。
◆完全に理解していても、自習などが認められず、周りと同じように授業を受けなければならなかったとき。
◆中学生の時に、公式の成り立ちについて疑問を抱き先生に回答を求めた。回答は「意味なんてない。覚えろ」の一言。以来、学校の授業に対して意欲を失った。
◆質問したりすると逃げてしまうような先生がいた。
◆関心のないことにはまったく興味がわかないので、算数・理科はクイズパズル感覚で遊びの延長としてほとんど100点、国語・社会は20~30点という極端なものでした。
◆少し浮いたような特徴のため、他の生徒からイジメにあいました。先生には何もしてもらえず、不登校のようになりました。高校は普通校に一応進学しましたが、大人や周囲の人への不信感から続けることが難しく退学しました。
◆敏感すぎる感受性が仇になったのか、ほぼ9年間不登校でした。
(引用元:NHK|知られざる天才“ギフテッド”の素顔)
「公式の成り立ちについて疑問をもつ」「クイズパズル感覚で遊びの延長としてほとんど100点」などのコメントを見ると、 “頭がよくてうらやましい” と感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、本人たちは、まわりの人の反応や対応に苦しんでいるのです。
前出の星氏は、「ギフテッド教育の主たる目的は、ギフテッドな子どもたちのサポートにある」と断言しています。メンタル面やソーシャル面でのサポートをしながら、ギフテッドの才能を適切に伸ばしていくことこそが、ギフテッド教育なのです。