腕まくりだってOK! パパがおしゃれに“クールビズ”をするコツ3つ
こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。
クールビズの概念が登場してから10年以上が経ちましたが、いまだに「クールビズは難しい」と感じているパパはけっこう多いようです。
たしかに涼しく、それでいてだらしなく見えないように装うにはそれなりの知識や知恵が必要ではありますよね。
そんな知識も知恵も持ちあわせなかった20代前半のころの筆者は、赴任先の神戸で出会ったある紳士服メーカーの社長さんからわが国における“メンズファッションの神様”である石津謙介さん(VAN=ヴァンヂャケット創業者/1911-2005)の存在を教わりました。
そして聞いた話やむさぼり読んだ石津さんやその弟子のくろすとしゆきさんの著書で“クールに装うための知恵”があることを学びました。
ここでは「丈の短いパンツ」「ジャケットの腕まくり」「ボタンダウンシャツ」という3つの“石津アイデア”を参考にして、パパたちのクールビズを応援したいと思います。明日からでも旦那さまに実践していただいてはいかがでしょうか?
●“アンクル丈”の原点は石津さん考案の“くるぶしが見える”『アイビー・スラックス』?
本題に入る前に前置きをもうちょっとだけさせていただきますと、筆者は“神様”石津謙介さんとも“神様の一番弟子”くろすとしゆきさんとも直接の面識はないのですが、ある政府系政策投資銀行の営業として西宮市に本社兼工房があったDunmasters(ダンマスターズ)というトラッドの服飾メーカーの担当をしていました。
デザイナーとしてVANの数多くの服を手掛けたくろすとしゆきさんは、このダンマスターズの仕事もしていたため、筆者はダンの社長さんを通してくろすさんや石津さんが常日頃話されていたようなメンズスタイル論を聞くという貴重な経験ができたわけです。
政策投資銀行の営業担当者というのは融資先の会社の経営者に確かな“哲学”があるかどうかを判断することも大切な仕事でした。
だから筆者はこのダンの社長さんが受け継いでいた『仕事着はしょせん、動きやすいことが第一である 』という石津謙介さんの洋服づくりの哲学を、感じることができたのかもしれません。
そこで話を本題に戻します。2010年代に入ったくらいから、わが国の男性の夏のビジネス服のパンツの丈が、くるぶしが若干見える程度の短いものが主流になりつつあることは、パパのみなさんもお気づきですよね?
これ実は、そもそも石津謙介さんが戦後アメリカ東部の大学生たちの服装を参考にしながらわが国独自のものとして考案した“アイビーリーグ・モデル”の服装における“アイビー・スラックス”のスタイルそのものなのです。